音声広告の主要プラットフォームを比較しました【Spotify・radiko・Voicy・YouTube】
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音声広告の主要プラットフォームを比較しました【Spotify・radiko・Voicy・YouTube】

音声マーケティングの手法として有効な「デジタル音声広告」。音声を軸に制作したコンテンツを広告出稿できるのは、音声広告メニューを持つプラットフォームだけでなく、ソーシャルメディアでも可能です。

今回は、音声広告が出稿できる「Spotify」と「radiko」だけでなく、Spotifyやradikoとは異なる広告プログラムを持つ「Voicy」、そしてソーシャルメディアのなかでも比較的 “ながら聴き” されやすい「YouTube」、計4プラットフォームの概要と音声広告の特徴をまとめました。

音声広告に興味のある方や運用する予定のある方は、ぜひご覧ください!

Spotify・radiko・Voicy・YouTubeの特徴を簡単に

\これだけは見てほしい!/
プラットフォームの基本情報と音声広告の概要を簡単にまとめました。

以下より、表の内容を「基本情報(ユーザー数・年齢層など)」と「Spotify・radiko・Voicy・YouTubeの音声広告概要」に分けて、詳しくご紹介します。

Spotifyの基本情報(ユーザー数・年齢層など)

Spotifyは2008年からオーディオストリーミングサービスを開始し、日本では2016年よりサービス提供が始まりました。2021年6月末時点で楽曲数は7,000万以上、ポッドキャスト番組数は290万以上、178の国と地域で利用できます。

▼ユーザー数や年齢層など
・国内のユーザー数:約700万
・ユーザーの年齢層:35歳未満が全体の約55%(24歳以下が約37%)
・男女率:男性 45%、女性 55%
・一日あたりの平均利用時間:128分

▼特徴
・他プラットフォームよりも10~20代が多い傾向にあります。
・Spotifyのユーザーは流行に敏感で、積極的に情報収集し、(Spotifyユーザーではない方に比べて)他のソーシャルメディア利用が多いと言われています。

Spotifyのサービスができた背景には、当時のスウェーデンにおける音楽業界の課題がありました。MarkeZineに公開されたSpotify Head of Consumer marketing, Globalを務めるソバジェ ジュン氏のインタビュー記事を引用してご紹介します(職種は記事公開当時)。

Spotifyは2006年にスウェーデンで創業し、サービスとしては2008年に開始しました。当時、スウェーデンの音楽業界では海賊版や違法音楽データが横行し、それによって音楽セールスが激減していたことが課題でした。当然それではアーティストやライツホルダーに対価が適切に還元されません。そこで、誰でも無料で音楽を聴けて、かつアーティストらに還元される仕組みを作ることでこの問題を解決しようという考えが、Spotifyの生まれた背景にあります。
※MarkeZine「定額制サービス成長の鍵は “パーソナライゼーション”(2018年2月28日)」

radikoの基本情報(ユーザー数・年齢層など)

radikoはパソコンやスマートフォンで無料でラジオが聴けるサービスです。すべての民放ラジオ局99局とNHK(ラジオ第1・NHK-FM)、放送大学のラジオをスマートフォンやアプリなどでタイムフリー(※1)に聴くことができます。

NHK放送文化研究所が2021年5月に発表した2020年国民生活時間調査の報告書をもとに作成されたデータ(※2)によると、1995年以降、ラジオを聴くユーザーの割合が減少傾向に。radikoはラジオ業界の活性化を狙い、2010年12月に他サービス(SpotifyやVoicy)より早く国内に設立されました。

▼ユーザー数や年齢層など
・国内の月間ユニークユーザー数:約890万
・ユーザーの年齢層:平均年齢は44~45歳
・男女比率:男性 60%、女性 40%
・利用時間帯:朝の通勤・通学時間と想定される7~8時台に最も利用

▼特徴
・年齢層や男女比率から分かるとおりビジネスパーソンが多く利用していますが、最近は15~19歳のユーザーも増えています。
・radikoの月間平均視聴時間は670分。動画配信サービス(NetflixやAmazon Prime Videoなど)と比べると、およそ2.5倍に。
※1 過去1週間以内に放送された番組を聴ける機能
※2 Yahoo!ニュース「聴く人は約1割…ラジオを聴く人の実情(2021年公開版)(2021年6月26日)」

Voicyの基本情報(ユーザー数・年齢層など)

音声プラットフォームのVoicyは、2016年にサービス提供を開始。代表 緒方氏の著書(※3)によると、海外におけるスマートスピーカーの登場やワイヤレスイヤホンの普及、音声テクノロジーの進化を受けて音声の未来に可能性を感じ、音声産業が社会を大きく変えると考えたそうです。

著名人やさまざまな分野で活躍し、Voicyによる審査で選ばれた方がパーソナリティとして発信する「個人パーソナリティ放送」や、マスメディアの公式放送や企業による「企業放送」があります。

▼ユーザー数や年齢層など
・国内の月間アクティブユーザー数:約250万
・ユーザーの年齢層:25~54歳が全体の約80%(35~44歳が約31%と1番多い)
・男女比率:男性 約57%、女性 約37%(残りはその他)
・個人パーソナリティ放送:700チャンネル以上
・企業放送:80チャンネル以上

▼特徴
・radikoと同様に男性の割合が多い一方で、やや若い年齢層が利用しています(radikoは44~45歳が平均)。
・チャンネルは、ビジネスやライフスタイル、エンタメ、スポーツなどのカテゴリーに分かれ、リスナーはパーソナリティのファンやそのカテゴリーに興味のあるユーザーであることが多いです。
※3 緒方 憲太郎 著/ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦/日本経済新聞出版/2021年6月22日発行/p.3を参考

YouTubeの基本情報(ユーザー数・年齢層など)

YouTubeは2005年に設立され、2006年にGoogleが買収。見たい動画を簡単に探せること、見られる場所を提供することを目的に展開されたサービスです。誰でも動画を簡単に投稿・閲覧できます。日本語版は2007年に提供開始されました。

▼ユーザー数や年齢層、特徴など
・国内の月間ユーザー数は6,500万以上(18~64歳)。
・YouTubeは他のプラットフォームと比べてユーザー数が圧倒的に多く、国内では10代~50代の幅広い年齢層に利用されています。男女比はほぼ同じ。
・45歳以上の年齢層は、趣味の音楽鑑賞や時事・政治の情報収集などにYouTubeを活用する傾向にあります。

ここからは、Spotify、radiko、Voicy、YouTubeの音声広告の特徴についてご紹介します。

Spotifyの音声広告概要

Spotifyは音声だけでなく動画などのフォーマットもあることから、音声で興味喚起しながら画面でも訴求するなど、組み合わせ次第で幅広い表現ができます。

・広告フォーマットは、オーディオ(音声)、動画、ディスプレイ(画像)の3種類。

・広告メニューは、楽曲間に30秒配信される音声広告(オーディオ)や、ユーザーがSpotifyのアプリ画面を見ていることが確認される場合に配信される動画広告(ビデオテイクオーバー)など計7種類。

・ターゲティング方法は、性別や年齢、曜日、時間、地域、ジャンルなど(メニューによって異なります)。

・音声広告の配信中に、Spotify画面にはバナーを表示して外部サイトに誘導することもできます。再生開始後はスキップできない仕様のため、完全視聴率(広告終了まで視聴される割合)は93%。

・Spotifyは35歳未満のユーザーが約半数を占めています。音声広告が流れるのは無料のフリープランのみということもあり、学生などの若年層に向けてアプローチしやすいのが特徴の1つです。

・広告配信後の効果測定では、Nielsenのブランドリフト調査(※4)を実施することもできます。

※4 ブランディングを目的とした広告の効果測定に有効なアンケート調査で、ブランド認知度や意識変容などについて測定できる。

radikoの音声広告概要

地上波のラジオとは異なり、ターゲットを指定して音声広告を配信できます。メニューによってターゲティング方法が異なり、さまざまなプランで運用することが可能です。

・広告フォーマットはオーディオ(音声)のみ。

・広告メニューは、ライブ・タイムフリーで番組を聴いているユーザーをターゲティングし配信する広告や、野球・競馬などの特定ジャンルの番組を聴いているユーザーに配信する広告など。

・ターゲティングは、性別や年齢、地域、デバイス(PC・スマートフォン)、興味関心、位置情報(業態や店名、線路)など。

・radikoの音声広告はラジオ放送中に配信されるため、音楽の間に流れる広告より違和感が少ないとされ、完全聴取率(広告終了まで聴取される割合)は実績平均でおよそ98%。

・楽天インサイトによるブランドリフト調査を実施することもできます。

Voicyの音声広告概要

Voicyの広告「Voicy Branding Program」は、Spotifyやradikoのような音声広告ではなく、パーソナリティが「紹介」するという考え方に基づいたものです。

・広告フォーマットはオーディオ(音声)のみ。

・広告メニューは、放送ごとにパーソナリティがスポンサーコールをする「スポンサー」、サービス・商品についてパーソナリティが紹介する「タイアップ放送」、テーマを設けてパーソナリティから放送を募集する「トークテーマ企画」の3つ。各広告の事例は以下から聴くことができます。

・リスナーのエンゲージメント(好意的な感情)が高いパーソナリティを起用することで、広告効果(認知度や好意度の向上)も期待できます。

・他のプラットフォームとは異なり、音声広告コンテンツを制作する必要がないことも特徴の1つです。広告メニューによって外部サイトに誘導することも可能。

・リスナーに対する簡易アンケート(ブランドリフト調査)を行うことも可能です。

YouTubeの音声広告概要

Googleによると、YouTubeで音楽コンテンツを視聴するユーザーの50%以上が、10分以上の音楽コンテンツを見ているそうです。YouTubeと聞いてYouTuberや著名人の動画コンテンツをイメージする方が多いと思いますが、音楽コンテンツを視聴するプラットフォームとしても注目されています。

YouTubeの「オーディオ広告」は2020年11月にアメリカでβ版が公開され、現在は日本でも一部の企業のみ運用できます。β版の公開前にオーディオ広告の試験運用をした結果、測定したキャンペーンの75%以上でブランド認知度が向上しました。

・広告フォーマットはオーディオ(音声)と動画。

・「オーディオ広告」だけでなく、従来の広告メニュー(インストリーム広告などの動画広告)でも音声コンテンツを配信することができます。広告メニューによって外部サイトに誘導することも可能です。

・以下のような音声を重視したコンテンツ(静止画やシンプルなアニメーション+音声)が推奨されています。動画広告に比べて費用を安く抑えられることもポイントの1つ。

・ターゲティングは、性別や年齢、地域、デバイス(端末)、興味・関心、特定の動画やチャンネルなど。

・従来の広告メニューでは、短いオンラインアンケート(ブランドリフト調査)を行うことができます。

【まとめ】プラットフォームと音声広告のポイント

最後に、ポイントをまとめると……

・4プラットフォームは、それぞれユーザーの属性や広告メニュー、配信されるタイミング、ターゲティングなどが異なります。

年齢層で言えば、Spotifyは他3つに比べると比較的若いユーザー(35歳未満)が多く、radikoはユーザーの平均年齢が44~45歳。Voicyは35~44歳のユーザーが最も多く、radikoと同じくビジネスパーソンが多い。YouTubeは10~50代が幅広く利用しています。

・広告が配信されるタイミングで言えば、Spotifyは楽曲の間に、radikoはラジオ番組の間に流れます。Voicyは番組中にパーソナリティから伝えられ、YouTubeは動画(もしくは、楽曲)の間に配信されます。

・メディアを選定する前に、それぞれの違いを理解した上で、出稿する目的やターゲット、届けたいメッセージなどを明確にすることをおすすめします。

・配信する音声広告コンテンツについて、Spotifyとradikoは特に、音声や音楽でユーザーのアテンション(注目)を獲得できる内容にする必要があります。YouTubeは動画配信プラットフォームでもあることから、動画や画像と組み合わせることで幅広い表現が可能です。

Voicyは他3つと異なり、音声広告コンテンツを制作する必要がありません。ターゲットに近い聴き手のいるパーソナリティを選び、パーソナリティが自分ゴト化して話せる企画にするのがポイントです。音声広告コンテンツについては、こちらのnoteもあわせてご覧ください。

音声広告市場は、これからも拡大していくことが予想されます。情報が少なく、本記事ではご紹介できなかった「Amazon Music」もアメリカ、イギリス、ドイツで音声広告の提供を開始していることから、近い将来に日本でも配信可能になるかもしれません。

トライバルのエンターテインメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」は、音声広告の企画から制作、運用、レポーティングまでを幅広くご支援しています。プラットフォームの選び方が分からない方、特徴などをもっと詳しく知りたい方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。

※基本情報や音声広告の詳細は以下の資料・記事を参照(2021年9月7日時点)
Spotify 会社情報
・Spotify主催「loveAudio June 2021~ 音声広告の今 ~」のセッション(録画はこちらから)
・Spotify 広告商品媒体資料(ver2.1)
・Spotify Advertising「デジタル音声広告って何?Spotifyの音声広告「きほんのき」
・radiko メディアガイド(2021年7~9月)
・radiko Ad Sales Guide(2021年7~9月)
・ XD「ラジオを再びリビングへ——radikoがリスナーの可視化から得た「届けるだけ」ではない価値(2020年2月13日)」
・ORICON NEWS「危機的状況から生まれたラジコが救世主に? 若者リスナー急増は「ラジオへの先入観がない」(2021年8月20日)」
・Voicy Branding Program
・Think with Google「月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に(2020年12月)」
・YouTube「一人ひとり、みんなの「好き」とつながる(2020年12月)」
・総務省情報通信政策研究所「平成 29 年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(平成30年7月)」
・ad exchanger「YouTube Audio Ads Are Now Available In Open Beta(2020年11月17日)」
・Google OFFICIAL BLOG「Audio ads on YouTube expand reach and grow brand awareness(2020年11月17日)」
・Google広告ヘルプ「YouTube オーディオ広告を作成する(ベータ版)

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