事業を成長させるブランディングの本質 “こだわるべき”ものは何か?【第5回 池田紀行のマーケ飯】

代表の池田(@ikedanoriyuki)が、さまざまなフィールドの第一線で活躍されている方とご飯を食べながらカジュアルに議論する企画「マーケ飯」。

第5回のゲストは、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げ製造小売からコンサルティングまで幅広く事業を展開する中川政七商店で、取締役CDOを務める緒方恵(@notmegumi)さん。

中川政七商店は1716年の創業から300年以上の歴史を持つ奈良の老舗。手績み手織り(※1)という製法による麻織物の卸問屋として創業した同社は、2018年まで社長を務めていた13代目社長 中川 政七氏(現会長)の手によって製造小売業(以下、SPA)(※2)へと事業転換し、大きく会社を成長させました。創業から長い歴史を持ちながらも、新しい領域にチャレンジしていることから、「創業300年ベンチャー」とも称されています。

今回のテーマは「ブランディングをする上で必要な考え方と、幸せになるための働き方」。中川政七商店の事業が急成長したブランディングの秘訣やマーケターは今後どのような働き方を志すべきなのか。二人で存分に語っていただきました!

※1 手績み手織り(てうみており)。手で績んだ(紡いだ)糸を使い、昔ながらの手織り製法で製品を織ること。

※2 Speciality Store Retailer of Private Label Apparel(製造小売業)。企画から製造、販売までを垂直統合させることでサプライチェーンのムダを省き、消費者ニーズに迅速に対応するビジネスモデル。

中川政七商店 取締役CDO 緒方 恵
株式会社東急ハンズにてバイヤー、ビジュアルマーチャンダイザーを経てWEBチームに異動。ECサイト運用から始まり以後、東急ハンズのWEB/デジタル施策の開発及び運用の統括者としてオムニチャネルを軸としたデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。2016年8月、株式会社中川政七商店にWEB/デジタル領域全てを統括する執行役員CDOとして入社し、DXを推進。2018年3月より、取締役就任。販路・メディアなどの全顧客接点を統括。2020年6月より、取締役CDOとして改めてDXの再推進を行う。

トライバルメディアハウス 代表取締役社長 池田 紀行
1973年 横浜出身。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。大手クライアントのソーシャルメディアマーケティングや熱狂ブランド戦略を支援する。日本マーケティング協会マーケティングマスターコース、宣伝会議講師。 『キズナのマーケティング』『ソーシャルインフルエンス』『次世代共創マーケティング』など、著書・共著書多数。

このままでは行き詰まる。先代の感じた危機感

池田:緒方さんとは何度か飲みに行っていますけど、こうしてじっくり仕事の話をするのは新鮮ですね。本日はよろしくお願いいたします!

緒方:今日の対談、楽しみにしていました。よろしくお願いします!

池田:まずは、中川政七商店のビジネスについて教えてください。事業やブランドが複数ありますが、何が収益の柱になりいまの成長が実現できているのでしょうか?

緒方:中川政七商店は、最初は高級麻織物である奈良晒(ならざらし)の卸問屋として江戸時代に創業し、1985年には麻小物を扱う「遊 中川」、2003年には生活雑貨をメインとする「粋更kisara」というブランドを立ち上げています。

2000年代から本格的にSPAに力を入れるようになり、販路を開拓するためにさまざまな努力をしたことで、奈良の中小企業だった弊社が、表参道ヒルズの開業時に出店枠を勝ち取ることができました。全国的に知名度が上がりはじめたのはその頃からです。2010年には暮らしの道具を扱う「中川政七商店」という社名を冠した店舗ブランドも誕生し、16年間で売上高は13倍に伸びました

池田:13倍の売上増……! すごいですね、卸問屋からSPAに切り替えるのはかなり勇気のいる意思決定だったと思うのですが、どういった背景があったんでしょうか?

緒方:その意思決定をしたのは、13代目社長の中川 政七(以下、中川)です。工芸品などの熟練の技術が必要とされるものづくりをしている人たちは、それに集中するがゆえに営業やPRをする機能を持っていないことも多い。それでも事業が成り立っていたのは、良いものを作れば問屋や小売店が買い取ってくれる構造だったから。良いものほど売れるので、生産したものをすべて買い取ってくれることもあります。

でも、ビジネスですから、当然徐々に生産数と卸値の交渉がはじまります。「全部買い取るから来年はさらに多く生産してほしい。そして単価は下げてほしい」というように。

しかしながら手工芸の場合は生産数を増やすためには人数を増やすしかないので、単価が下がると利益も下がる。そうすると、事業は拡大して売上は伸びているのに、利益が少ないから手取りが増えない。これは工芸というものづくりのビジネスモデルの問題でもあります。

また、販売に直接関わっていない場合は、手にとってくれた人が何に惹かれて買ってくれたのか、使用してどのように喜んでくれたのかも分からない。そうすると、作り手は「誰のために、何のために仕事しているんだろう?」という気持ちになってしまいます。

利益が増えないことやものづくりをする人の意欲が低下しつづけるサイクルの中に身を置くのはよくない。工芸の世界に新しいビジネスモデルを持ち込みかつ、ものづくりへの想いを「正しく伝える」ためには自分たちで直接お客様に伝えなくてはならないと考え、直営店出店を加速させ、SPA業態を確立していきました。

中川は、とりわけ「ブランド」はこうあるべきという信念をしっかり持っています。「ブランドの価値をお客さまに感じてもらうには何をしなければならないか?」ということを高い解像度で理解していて、お客さまからの共感があるからこそ売上が生まれるし、社員もやる気になると考えている。

ブランドとは、他と差別化され、かつ一定の方向性を持ったイメージにより、会社・商品・サービスなどにプラスを与えるもの。

そしてブランディングとは、そのイメージをより強く持ってもらうために伝えるべきことを適切に伝え続けること。適切に伝えるということは、SPAを始めようという決意の背景であり、お客様に選んでいただくために大事なことであり、社員が意欲高く働くためにも大事なことです。だから、ブランディングにはかなり力を入れています。

池田:なるほど。いま中川政七商店は千石さんが社長を務めていらっしゃいますが、先代の中川さんまでは同族経営でしたよね。以前、とある同族経営企業の経営者の集まりに参加したことがあるんです。同族経営は何代にもわたって世襲しているので、「どうやってこれからも会社を存続させていくか?」が皆さんのもっとも大きな関心事でした。彼らはブランドを資産そのものであると考えているんですよね。売上よりも、(ブランドも含めた)資産を後代へ残していくんだという強い意思(覇気)を感じました。中川さんにもそういった凄みを感じます。

緒方:おっしゃる通りです。中川は、ブランドの“らしさ”を一貫することがビジネスでとても大事なことのひとつだと考えています。短絡的な値引きやキャンペーンは、ブランドの“らしさ”を欠き、お客さまに一貫して届けてきたブランドの価値に傷をつけてしまう。ブランドの価値を毀損することは、LTV(※3)にも悪影響なので、資産としてのブランドを大切に積み上げていくことを重視しています。

※3 Life Time Value(顧客生涯価値)。ある顧客から生涯にわたって得られる利益のことを指す。

池田:一般的に、ブランディングに注力することが決まると、「ロゴをいい感じにしようぜ」といった表層的な議論になってしまうことが非常に多いと思うんですが、緒方さんはブランディングをどのように考えられているんですか?

緒方:「うちのブランドはイケてないから、ロゴを変えよう」みたいな考え方になってしまうのは悪手だと思います。それって、膝が痛いから、膝を診てもらって、そこだけを治そうという話と同じ。でも全身を診たら、膝の痛みよりも心臓が悪いことの方が問題ということもあるかもしれない。

そもそもブランディングの目的は会社を良くすることですよね。その目的を達成するためには、ロゴを変える以外の選択肢があるはずです。僕は、(市場で選ばれるための)差別化ポイントは上流であればあるほど良いと考えています。

会社の思想・哲学、事業の意義、それを実現する戦略、戦略を遂行するオペレーション。お客さまに提供する商品・サービスはそういった会社の上流から下流へ流れてきて、生まれています。ロゴといった、下流に近いお客さまの目から見えるものを取り繕うだけでは本当に強いブランドにはなれないと考えています。

池田:緒方さんのおっしゃるとおり、中川政七商店はブランディングをする上で、ブランドの原点となる思想や哲学といったもっとも上流の部分にメスを入れていることが本当に素晴らしいと思います。中川政七商店の“らしさ”はそうしたブランディングの考えを基に生まれているんですね。

緒方:そうですね。私たちが掲げる「日本の工芸を元気にする!」というビジョンは、日本の工芸が衰退していくのを目の当たりにして、一消費者として文化・風習が失われることの悲しさと、自社の経営再生ノウハウが他の工芸メーカーにも活かすことができるのではということ、そしてこのままいくと自社のものづくりができなくなるという危機感、つまりwill・can・mustの重なり合いから生まれました。だから経営から商品・サービスといったアウトプットに至るまで、このビジョンに基づいて一貫した事業活動を行っています。

すべては「日本の工芸を元気にする!」ために

池田:中川政七商店は、SPA以外にコンサルティング事業をしていますよね。それはビジョンやブランディングにどう紐づいているんですか?

緒方:私たちは、ビジョンや経営基盤といった経営のあり方を整えたことで成長することができました。それは「中川政七商店だからうまくいった」のではなく、他社にも流用できる再現性の高い方法だと考えたんです。それがきっかけとなり、2007年のビジョンの策定と同時にコンサルティング事業をスタートしました。

モノづくりをしている企業の多くは、経営や生産管理に課題を抱えているので、私たちのノウハウをもとにコンサルティングを行えば、そういった企業の存続に貢献できます。コンサルティングはそういう点で「日本の工芸を元気にする!」というビジョンに沿った事業なんです。

池田:自分たちの成功例を業界に還元しているんですね。コンサルティング事業では、具体的にどのようなことを行っているんですか?

緒方:まずはどのクライアントも、経営基盤を整えることのお手伝いからはじめます。その後必要に合わせてブランドを作っていくのですが、コンサルティングによって生まれたブランドや商品の流通サポートも行います。

サポートというのは具体的には3つで、1つ目は中川政七商店がその出来上がった商品を仕入れて直営店で販売すること。2つ目は弊社が運営している「大日本市」という展示会への出展をしていただくことで、新しいバイヤーの方やメディアの方との出会いを提供させていただくこと。3つ目は営業・流通の代行をメーカーに代わって行うことです。

クライアントは経営や商品企画の知見を得て、いくつかの流通サポートですぐに売上を上げることができ、私たちは自社のラインアップにない商品を製造してもらい、売ることができるので、Win-Winな関係を築くことができるんです。

池田:一貫性を徹底しているのはすごいですね。SPAが軌道に乗ってきたタイミングでコンサルティング事業を立ち上げるというのは、かなり事業のスピードが早いように思います。SPAの事業を成長させていこうというタイミングで、新規事業もスタートさせるとなると社内はかなり混乱したんじゃないでしょうか?

緒方:最初、社員にはその必要性や自分たちとの業務のつながりがピンとは来なかったようです。

でも、コンサルティング先の商品を自分たちの手を介して売り、そしてそのブランドがヒットし、実際に工芸メーカーが元気になる姿を見ることで「日々の仕事が日本の工芸を元気にすることにつながっている」と徐々に実感できたことがそのまま腹落ちにつながりました。中川自らコンサルティング事業を主導していく姿を見せたことで、ビジョンを達成するためなら「そういう(新規事業立ち上げのような)選択をしていい会社なんだ」、「(ビジョンを達成するためなら)新しいことにチャレンジしていいんだ」という空気感が生まれ、ビジョンに対して自分ならどんな行動をするか社員一人ひとりの解像度を高めるきっかけになりました

それから社内では「自社の売上が上がるか?」ではなく、「日本の工芸を元気にできるのか?」がさまざまな決定基準になっています。日本の工芸を元気にするなら、KGI(※4)は工芸業界内の流通総額で、KPI(※5)はどのブランドの売上であってもいいと考えていますね。

※4 Key Goal Indicatorの略。ビジネスの最終目標を定量的に評価できる指標を指す。
※5 Key Performance Indicatorの略。KGIを達成するための各プロセスが適切に実施されているかどうか定量的に評価するための指標を指す。

「徹底した言語化が自由演技の幅を規定する」とは?

池田:ビジョンが仕事の判断基準として使用されることまで見越して策定したと。社員一人ひとりにしっかり理解してもらうために、ビジョンの言語化にはかなりこだわっているのではないでしょうか。そもそも、経営やマネージメントの軸を言語化するようなカルチャーが根付いていないと、ここまで突き詰めて考えられないですよね。

緒方:言語化はブランディングに関わるので、中川が特にこだわっていたことだと思います。僕もそれに同意しているのですが、そこにこだわる理由は2つあります。

1つ目は、コミュニケーションにかかるコストを下げるため。2つ目は、言葉が明確でないと人は適切に動けないからです。私たちらしく言うと、自由演技の幅を規定してあげたいということです。

池田:自由演技の幅を規定するとは面白い表現ですね。どのような意味ですか?

緒方:例えば店舗で「接客をもっと頑張ろう!」という目標があるとします。「頑張ろう!」だけがスタッフに共有されると、

Aさん:多くのお客さまに話しかける
Bさん:商品を買ってもらうトークをする
Cさん:ストーリー形式で商品の良さを伝える

というように、三者三様で異なる頑張り方をしてしまう。一人ひとりが自分の長所に合わせて接客をすることは良いのですが、「頑張ろう」という言葉だけでは中川政七商店“らしさ”がある接客ができないし、それはブランドへの違和感にもつながる。だから、規定した幅のなかで自由演技させてあげよう、となったんです。

その規定は店頭接客の心得として、「接心好感(せっしんこうかん)」と表現しました。「あなたの仕事は日本の工芸を元気にするために、お客さまの心に接して好感を得ることですよ」ということを示しています。

毎日お客さまと接している店頭スタッフは接客のプロなので、好感を得るためにどんな接客をするかは店舗や店頭スタッフに委ねています。どうやって「接心好感」を実現するか私たちがマニュアル化するのはナンセンス。マニュアルにしてしまうと、自由演技の幅が狭まってしまいますし。この言葉があるおかげで、各スタッフに対する接客指導などのコミュニケーションコストを下げながらも、接客で良いパフォーマンスを発揮してもらえるのです。

池田:ビジョンだけでなく、接客のような部分まで言語化しているわけですか。言語化自体にも強いこだわりがあると思うんですが、その理由はどういったものがあるんでしょうか?

緒方なぜ言語化を重視するかというと、時間対効果を大切にしているからなんです。「接心好感」のような言語化した軸があることで、マネジメントコストの削減やオペレーション改善、デジタルトランスフォーメーション(DX)の最適化が迅速に行え、お客さまに接する時間を可能な限り増やせます。

池田:つまり、時間対効果で考えたときに最も効率的なのは、言葉の定義をみんなが同じレベルで理解し、言葉の示す範囲内で最大限パフォーマンスを発揮することだと。そのための言語化なんですね。

緒方:まさにそうですね。特に店頭スタッフは、定常業務や報告作業など、やらなければならないことはたくさんあります。それを可能な限り圧縮して、お客さまに接する時間を10割に近づけてほしいんです。そうすれば、店頭スタッフは会社のやり方に縛られず、のびのびと働くことができ、会社との絆も生まれます。

ブランドを言語化してお客さまに伝えるのはかなり大変じゃないですか。でも店頭スタッフに中川政七商店の“らしさ”を伝えられない限り、お客さまに“らしさ”が伝わるわけがありませんよね。だから、言語化は企業を成長させるために非常に重要だと認識しています。

組織の壁を越えろ。働く幸せを勝ち取るために。

池田:ここまでお話を伺っていると、言語化を通して一貫性を持たせることが成長の重要な要因になっているように感じます。ブランドの思想・哲学、戦略、施策……上流から下流まで一貫したブランディングができていることで、他社が容易に模倣できない差別化が実現しているんですね。

でも、中川政七商店のような一貫性のあるブランディングをマーケターが実現するには、上流から下流のどのレイヤーに自分がいるかで、関わり方が変わりませんか? 大企業だと特に。

緒方:そうですね。仕事って「考える」「決める」「やる」の3つで成り立っていると思うんですが、この3つを縦割りや横割りの組織構造で細分化して、効率化しているのが大企業の特徴ですよね。「やる」だけを担っている人は、自分の仕事が会社にとってどれほどの意味があることなのか、ひいては社会にとって良いことなのかイメージしづらいかもしれません。

池田:思想・哲学の統一ができていないと、「やる」人が担うマーケティングコミュニケーションで、生活者のブランドに対する好意的な意識変容・態度変容を促すことは難しいですよね。

仮に「やる」人が、「思想や哲学といった上流にメスを入れなきゃダメだ」とか「もっとマーケティングコミュニケーションに一貫性が必要だ」と気づいたとしても、そのために「考える」「決める」役割になるためには偉くならないといけない。そうした構造的な要因に阻まれてしまい、「やる」の人たちは、「自分は何のために仕事をしているのか……」という負の感情に陥ってしまうじゃないですか。

僕は、僕たちが対面している、志高くビジネスの課題解決に取り組むマーケターの皆さんを少しでも幸せにしてあげたいと思っているんです。ただ、多くのマーケターは限られた予算や組織構造による限定的な承認権限など、さまざまな要因によってブランドやお客さまのために“やるべきこと”が阻まれてしまい、負の感情が生まれてしまっている……。このような状況を打破するためには、どうすればよいでしょうか?

緒方:僕はこの世で最も模倣できない上位概念は「動機」だと考えています。なにをするにも「動機」がありますよね。企業という粒度ではもちろんですが、個人に置き換えても同様です。一日の中で働く時間が大部分を占めているので、働く動機をしっかり持てば、なにをすべきか見えてくるのではないでしょうか。

池田:その人なりの動機さえあれば、“やるべきこと”ができ、状況を変えられることもあるはずだ、ということですね。

緒方:具体的な行動で言うと、なるべく会社の上流から価値を提供できるようになったほうが良いと思うんです。そのために、特定のプロモーション施策の運用に特化するような力をつけるという事ではなくて、どんなポジションであろうと縦と横を巻き込んで、会社のなかを横断する力を鍛えた方が良いと思います。

会社にとっての課題の全ては、自社の事業部の形に合わせてキレイに発生するわけではありません。ということは解決のために組織図を変えるか、誰かが積極的に横断するかしか無いのです。スタートアップや中小企業であれば前者でいいかもしれないのですが、大企業の場合は後者がキーパーソンになります。

課題解決・価値提供を主導するためには縦割りや横割りの組織の壁を壊して、横断しながら行動するとマーケターとしての本質的な価値が身につくんじゃないでしょうか。誰に頼まれたわけでもないのに1つか2つ上流レイヤーに食い込むということになるでしょうから。

池田:会社における課題を事業部内で解決するのは難しいので、組織の壁を壊したり、誰かが横断したりして解決に導くしかないということですね。

緒方:そうですね。その壁を壊さないから、いまも課題は残ったままなわけで。その壁を壊したら、あなたの価値はどうなりますか? ということまで考えられるといいですね。課題を残したまま、モヤモヤした状態で働くのか、それとも課題解決に取り組んで自身の価値も高めるのか。

どっちを選択することがあなたにとって幸せだと思いますか? と。働くことにおいては、「他の人と比べて」という幸せの基準ではなくて、「エキサイティングに楽しむこと」が幸せの基準になっていくといいなと思います。

池田:どうすれば給料が上がるかとかではなくて、働く上での幸せを自身の力で勝ち取るためにあなたの内なる声に耳を傾け、「自分はどうなりたいか?」「会社の枠組みを壊す創造的破壊に取り組むか?」ということを問わなければいけないんですね。

本日はお忙しいなか、ありがとうございました! 中川政七商店のお店に行くのがさらに楽しみになりました!

緒方:ありがとうございました! ぜひまたお越しください!

・・・

ブランディングをする上で必要な考え方と、幸せになるための働き方」というテーマで展開された今回の議論。中川政七商店がブランドの一貫性のために大切にしている言語化へのこだわりや、働くことを自身の幸せに直結するには何をすべきかなど、示唆に富んだ議論だったのではないでしょうか。

「マーケ飯」は、今後もさまざまなフィールドの第一線で活躍されている方と池田のトークを発信していきますので、どうぞご期待ください!

過去の「マーケ飯」の記事は以下のマガジンよりご覧いただけます。

▼中川政七商店オンラインショップ
https://www.nakagawa-masashichi.jp/

▼2021年4月14日グランドオープン、中川政七商店初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」
https://www.nakagawa-masashichi.jp/company/press/2021/02/000143.html

▼2人のX(旧Twitter)・noteアカウントはこちら
緒方 恵 氏
X @notmegumi
note https://note.com/keiogata

池田 紀行
X @ikedanoriyuki
note https://note.com/ikedanoriyuki

今回収録で伺ったお店は、恵比寿にある和食料理お店「の坂」さん。日本各地の銘酒が揃っており、コース料理とも非常にマッチし、おいしくいただきました(特に、秋田名産の日本酒 新政(あらまさ)は緒方さんおすすめで、池田も太鼓判を押していました!)。撮影にご協力いただき、ありがとうございました。

(写真はコース料理の馬刺しです)

の坂
〒150-0021
東京都 渋谷区 恵比寿西 1-3-8 廣田ビル 2F

https://www.ebisu-nosaka.co.jp/

※新型ウイルス感染症防止対策に配慮のうえ収録を行っています。

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