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なぜいま「音声」なのか? 音声マーケティングの強みと効果

radikoやVoicy、Spotify、Clubhouse、Twitter Space……。皆さんは「音声配信サービス」と聞いて、どのサービスを思い浮かべますか?

いま、音声配信サービスの利用者数が増加し、音声広告の市場規模が拡大しています。それに伴い企業による取り組みが増加し、マーケティングの場としても注目を集めています。

本noteでは、音声市場が拡大する背景と、映像(視覚)に比べて音・音声(聴覚)が優れている点を紐解いた上で、弊社が考える「音声マーケティング」と事例をご紹介します。

音声をマーケティングに活用しようと考えている方や音声広告に興味のある方は、ぜひご覧ください。また「音声マーケティング」について知りたい方は、以下の見出しから「音声マーケティングとは?」をクリックしてご覧ください。

音声配信サービスの利用者数増加、その背景とは

はじめに、音声配信サービスや音声広告市場の現状を見てみましょう。

日経クロストレンド(日経トレンディ)によると、ネットラジオ大手のradikoは月間利用者数が2020年3月に急増し(※1)、Voicyも月間視聴者数が2021年からの3ヶ月で2.5倍に増加。3月時点で250万MAUを達成しました(※2)。

※1 日経クロストレンド「すごいラジオビジネス大研究 第1回 radiko会員は1000万人目前 今、企業がラジオに注目すべき理由(2020年10月2日)」
※2 Voicy「Voicyの月間利用者数が250万MAUを突破。2021年からの3ヶ月で2.5倍に(2021年4月12日)」

それらに関連して、国内における音声広告の市場規模も拡大。デジタルインファクトが2020年3月に実施した「デジタル音声広告の市場調査(※3)」結果を見ると、2021年に50億円と予想される国内のデジタル音声広告市場が2025年には420億円規模にまで成長すると期待されています。

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※3 デジタルインファクト「デジタル音声広告の市場規模は2020年に16億円、2025年には420億円に(2020年3月30日)」

こうした音声配信サービスや広告市場が活気な背景には、以下の2つが影響していると考えられます。

1)デジタルデバイス機器の多様化
2010年ころから通信速度が大きく改善し、いつでも・どこでもインターネットを利用できるようになったことに加えて、デバイスが多様化し進化してきました。

音声サービスを利用するためのデバイスとして、スマートフォンやスマートスピーカー、ワイヤレスイヤホンなどのデバイスが発展した結果、いつでもどこでも気軽に好きなコンテンツをながら聴きできる環境が整ったことが影響しています。

2)生活様式の変化
さらに、2020年から新型ウイルスによって外出自粛が呼びかけられ、在宅時間が増加したことも影響しています。

ラジオは仕事や家事をしながら聴く「ながらメディア」と言われていますが、radikoによると「在宅勤務・自宅待機中の9~18時の時間帯の利用者が拡大(※4)」したそうです。

※4 radiko「ラジオを聴くと“頭がよくなる”!?脳科学者・加藤 俊徳氏が、世界で初めてラジオ聴取と脳の成長の関係を検証(2020年6月10日)」

また、トレンダーズが発表した「音声メディアに関する利用実態調査(※5)」によると、調査をした20~30代の男女526人の約3割が「何かしらの音声メディアを利用している」と回答。

音声メディアを使うようになった理由について、音声メディアを利用している約4割が「他人の声や会話を聴くのが好きだから」と回答し、コロナ禍によって誰かと会話する機会が減っている状況によるものだと伝えています。

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※5 トレンダーズ「約3人に1人が『音声メディアを日常的に利用』と判明!今後使ってみたいメディアに『Clubhouse』、『SPOON』など/約半数が『音声インフルエンサー』の活躍に期待も(2021年2月4日)」

なぜ音声なのか? 視覚に比べた聴覚の強み

音声配信サービスが注目を集めている背景をご説明しましたが、なぜ「音声」なのか、もう一歩踏み込んでみましょう。

マーケティングコミュニケーションには、五感のなかでも「視覚」に訴求する施策(広告をはじめとした視覚に訴えるクリエイティブ)が数多く存在し、情報量の多さやクリエイティブの幅などが強みです。一方で、「音」や「音声」を聴く「聴覚」にも視覚に負けない強みがあります。

音楽芸術博士であるミテイラー千穂氏の著書には、聴覚からの情報は、視覚より2倍以上速く脳に伝わり、視覚は聴覚の8倍もの情報処理能力があると書かれています。

視覚からの刺激が脳に到達するのに20~40ミリ秒かかるのに対し、「音」は8~10ミリ秒。聴覚からの情報への反応速度が、視覚の2倍以上も速いことを示した研究もあります。
(中略)
視覚による情報処理は、1秒間に約25コマ(40ミリ秒に1コマ)だとされます(ちなみに、映画のフイルムは1秒間に24コマ、ディズニーのアニメ映画も1秒間に24コマだそうです)。これに対して、聴覚のほうは、1秒間に約200コマ(5ミリ秒に1コマ)ですから、聴覚は視覚の8倍もの情報処理能力がある、ということができます。

※ミテイラー千穂 著/サウンドパワー わたしたちは、いつの間にか「音」に誘導されている!?/ディスカヴァー・トゥエンティワン出版/2019年7月25日発行/p.23~24より引用

さらに、聴覚は生活においてタッチポイントを作りやすいという強みもあります。

総務省の統計によると、平日や休日のうち「仕事」や「勉強」「運動」が占める時間は6時間以上あるそうです(※6)。その時間は基本的に視覚で訴求するのが難しいことから、ラジオをはじめとした「ながらメディア」向きの時間だと言えるでしょう。

※6 総務省統計局「平成28年社会生活基本調査(男女, 行動の種類別主行動の総平均時間・行動者平均時間・行動者率)(2017年12月22日)」

また、Voicyの代表取締役CEO 緒方氏の著書によれば、上記の総務省の統計をもとにして、以下のように記載されています。

音声の最大の特徴は「ながら」ができることだ。朝の身支度をしながら、朝食を食べながら、仕事をしながら……。
(中略)
日本国民全体での、睡眠を除いた行動時間のうち、ながら聴きが可能な時間をざっと計算してみると、1週間で計約8.9億時間になる。ちなみにテレビやスマホなど、「目」のメディアが競合している時間は1週間で計約2.5億時間。もちろん、マネタイズの方法によっても大きく左右されるが、耳は目の3倍以上の可処分時間の「在庫」を持つことになる。

※緒方 憲太郎 著/ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦/日本経済新聞出版/2021年6月22日発行/p.81~82より引用

以上のことから、企業やブランドは「視覚」を中心としたコミュニケーションだけでなく「聴覚」にアプローチすることも重視するべきではないでしょうか。

音声マーケティングとは?

弊社では、人による声(音声)で表現されたコンテンツを用いて、聴覚に訴求するマーケティングを「音声マーケティング」と呼んでいます。音声コンテンツを活用し、そこから得られる情報によって消費者の意識・行動変容を狙うマーケティング手法です。

また、音声に「メロディー(音)」を取り入れると、音声以上に気分や感情の高まりを期待でき、マーケティング効果を高めることにつながります。

企業やブランドが音声マーケティングを活用した場合の効果は、以下の3つに整理できます。

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① 認知獲得、および興味喚起
聴覚の強みとする「ながら時間」にアプローチすることで、視覚とは異なる新しいタッチポイントでの認知獲得・興味喚起につながります。

② ブランドの識別性が向上し、選好性を獲得する
音声とメロディーで構成されるサウンドロゴを活用すると、ブランドとメロディーを紐付けて認識してもらうことができます。

サウンドロゴを聴くとブランドや商品に関連する情報を思い出してもらえたり、買い物をしているときにふとサウンドロゴが思い浮かんでブランドが想起され、手にとってもらいやすくなったりします(知っている・安心できるブランドや商品のほうが選ばれやすいため)。

③ (インフルエンサー起用による)短期的な売上や好意度の向上に寄与する
ターゲットとなる消費者が好きなインフルエンサーを起用し、情報を伝えることで意識や行動変容を促し、「短期的な売上」や「ブランド好意度の向上」が期待できます。

音声マーケティングは、これまでもラジオや店舗による販促活動での音声活用によって①~③の効果を発揮してきましたが、音声配信サービスの増加により(音声マーケティングの)中身が変わり始めているようです。

どのように変化しているのかを確認するために、音声マーケティングを以下4要素に分類し「これまで」と「いま」とで比較してみました。

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▼これまでの音声マーケティング
・誰が
アナウンサーやタレント(などの著名人)

・何を(どんな音声コンテンツを)
声や歌など

・どこで(どのプラットフォームで)
ラジオや店舗など

・誰に向けて(ターゲット)
ラジオであれば視聴者に、店舗であれば訪れた方(=大衆)に

これまで、「誰が」はマス広告の考え方と同様に著名な方を起用することが一般的でした。また、「どこで」はラジオや店舗で音声を指し、流すタイミングを選択する自由度は低かったと言えます。

▼いまの音声マーケティング
・誰が
アナウンサーやタレント、インフルエンサー。ソーシャルメディアの発展に伴い、インフルエンサーの幅が広がり、個人が出演することも

・何を(どんな音声コンテンツを)
基本は声や歌など。サービス側の質が向上したことで3D音声なども可能に

・どこで(どのプラットフォームで)
ラジオや店頭、57もの音声配信サービス(※7)

・誰に向けて(ターゲット)
大衆以外にも、音声配信サービスにより細かいターゲティング(性年代などの属性から地域、通勤時間といった時間帯、視聴ジャンルなど)が可能に

いまは、起用する方(インフルエンサー)と配信する場所(サービス)が増え、内容(音声コンテンツの質)とターゲティング(自由度や精度)が向上しています。「音声」そのものの強みに加えてこのような変化が起きたことで、これまで以上に効果が期待されていることが分かります。

※7 Voicyが発表した「音声配信サービス業界カオスマップ・2020年版(22020年8月3日)」には計57サービスが含まれます

音声マーケティング事例

最後に、音声マーケティング事例をご紹介します。

▼オーディオテクニカ「ATH-ANC300TW」
人気声優2名が新商品の「ワイヤレス イヤホン」の商品を会話するように紹介する音声コンテンツ。Spotifyの音声広告で公開されました。

事例の詳細は、ITmedia マーケティングの記事「好意度と購入意向を10倍以上にした『局所的熱狂』をどう生み出すか(2020年9月17日)」でもご覧いただけます。

▼三井住友カード「ナンバーレスカード」
人気声優2名を起用し、同社の新しい「ナンバーレスカード」の商品を2種類のコンテンツ(ストーリー性のある音声・ストレートに商品紹介をした音声)で紹介しました。こちらもSpotifyの音声広告で公開された事例です。

プロモーション実施後に実施したブランドリフト調査では、全項目がリフトアップし、特に三井住友カードの広告認知度や広告熟知度が向上する好結果になりました。

▼リクルート「トレンドランナー」
仕事探しや学び方、美容といったテーマに関するPodcast番組。同社のスタッフがその道のプロフェッショナルにインタビューし、最新のトレンドに関して語る事例です。

音声マーケティングを行うには

音声マーケティングは、音声コンテンツを活用し、そこから得られる情報によって消費者の意識・行動変容を狙うマーケティング手法です。

音声配信サービスが増えるなかで、音声コンテンツの質やターゲティングが向上し、これまで以上に企業やブランドのマーケティングに活用しやすく、効果も測りやすくなっています。

音声マーケティングに興味のある方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。トライバルのエンターテインメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」が、音声マーケティングの効果を事例とあわせて詳しくご紹介します。


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