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クチコミを増やして売上につなげる! ソーシャルメディアマーケティングの最適解

FacebookやTwitterが日本で普及し、企業やブランドがソーシャルメディアマーケティングを活用しはじめてから10年以上が経過したいま、公式アカウントの運用を中心としたソーシャルメディアマーケティングのあり方は大きな変革期を迎えています。

プラットフォームごとに機能が充実し、ユーザーの使用頻度や態度も日々変わるなかで、マーケターはどのようにソーシャルメディアと向き合うべきなのでしょうか?

本noteではソーシャルメディアの現況を確認し、重要性が高まっているクチコミ(UGC)の注意点を整理したうえで、“いま”取り組むべきソーシャルメディアマーケティングの最適な戦術を考察したいと思います。

企業のソーシャルメディア公式アカウントの運用に関わっている方はもちろん、商品やブランドのマーケティング戦略を講じている方にお読みいただきたい内容です。
長くなりますが、ぜひ最後までお付き合いください(お時間のない方は、見出しの「ソーシャルメディアマーケティングの最適解」をクリックしてご覧ください)。

データから紐解くソーシャルメディアの“いま”

まずは2種類の調査結果から、ソーシャルメディアがどれくらい普及し、どのような影響力を持っているのかを紐解いてみましょう。

総務省による「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(※1)」をもとに作成した「全世代のソーシャルメディアの行為者率(経年)」グラフをご覧ください。

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この調査における行為者率(※2)とは、調査期間においてソーシャルメディアを実際に利用した人の割合を指します。
ソーシャルメディアは若者中心のメディアというイメージを持っている方も多いと思いますが、全世代の行為者率は年々上昇していることが分かります。

また以下のグラフは、総務省による同じ調査をもとに作成した「年代別のソーシャルメディア行為者率・行為者平均時間」です。

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10~30代の行為者率は50%を超え、特に10代は休日1日のうち160分をソーシャルメディアに費やしています(本調査によれば、10代における1日のインターネット利用時間はテレビを上回っています)。
また、60代以上を除く全年代において、休日の利用時間が60分を上回っています。

続いて、トライバルによる「“売りにつながる”ソーシャルメディアとインフルエンサーの実態調査(※3)」では、マーケティングファネル(認知から推奨まで)における各プラットフォームの影響力が明らかになりました。

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ファネルのどの項目においてもInstagramが傑出しており、「認知」「興味」を除くとテレビCMよりTwitterの方が高い結果となりました。「理解」では、Instagramに次いでYouTubeが高いことが分かります(表の下半分に記載された実数は回答数(サンプル数)を表しています。サンプル数が「テレビCM」や「友人・知人」と異なる点にはご注意ください)。

ご紹介した2種類の調査結果からは、
・ソーシャルメディアの利用者は増えており、全年代で利用されつつあること
・マーケティングファネルの「理解」や「利用・購入意向」「好意」「リピート」「推奨」において、ソーシャルメディアの影響度が高いこと

が分かりました。

企業のマーケティング活動において、ソーシャルメディアは無視できない存在になりつつある点がお分かりいただけたのではないでしょうか。

※1 平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査/総務省情報通信政策研究所/2019年9月
※2 調査票には「平日については調査日 2 日間の 1 日ごとに、ある情報行動を行った人の比率を求め、2 日間の平均をとった数値である。休日については、調査日の比率となっている。」と記されています。
※3 “売りにつながる”ソーシャルメディアとインフルエンサーの実態調査/トライバルメディアハウス/2020年6月18日

誰もがクチコミを見て、広がるようになった

ソーシャルメディアマーケティングでは、特にクチコミの重要性が高まっています。

インターネットが普及するまでは、主に職場や学校、家庭などのコミュニティにおける口頭による伝聞を「クチコミ」と呼んでいましたが、インターネットが普及して一人ひとりが情報発信できるようになってからは、クチコミにこのような変化が訪れました。

・口語から文語へ
・伝聞から筆記へ
・数人から不特定多数へ
・記名から匿名へ
・消滅するものだったものから記録されるものへ

当時は目の前にいる人から人へ、狭い距離で伝達されるものだったためクチコミが拡散することは非常にまれでしたが、インターネットの登場によって大きく変化を遂げて、オンライン上のクチコミが「UGC」と称されるようになり不特定多数への拡散も可能になりました(もちろん口頭のクチコミがなくなったわけではないので、オンライン上と口頭によるクチコミは分けて考える必要があります)。

UGCとは「User Generated Contents」の略で、ユーザーが生成した投稿や写真、ブログなどのコンテンツを指します(本noteでは、ここから「クチコミ(UGC)」と表記します)。

ソーシャルメディアマーケティングにおいてクチコミ(UGC)が重要とされるのは、クチコミ(UGC)がブランドや商品の購入に高い影響力を持つことが分かってきているからです。

クチコミ(UGC)が売上に影響を及ぼしている

書籍「消費者行動の実証研究(※4)」の第8章「SNSが販売実績に及ぼす効果の測定とソーシャル・リスニングの意義」では、ソーシャルメディア上におけるクチコミ(UGC)が商品の販売実績に影響を及ぼしているという調査結果が記されています。

トライバルでも特定ブランドのプロモーションを支援した際に、クチコミ(UGC)を増やした結果売上も増えた事例があります(そのプロモーションを実施した時期は、他のプロモーション活動は停止していました)。

「ソーシャルメディアでクチコミ(UGC)が増えれば、売上も増える」というのは、もはやソーシャルメディアマーケティングにおける成果の鍵といっても過言ではありません。

※4 消費者行動の実証研究/中央経済社/守口 剛(編集)、上田 雅夫(編集)、奥瀬 喜之(編集)、鶴見 裕之(編集)/2018年12月27日

ソーシャルメディアとクチコミ(UGC)は魔法の杖ではない

クチコミ(UGC)がソーシャルメディアにおける成功の鍵である一方で、注意したいことが2つあります。

1つ目は、言葉にしてみれば当たり前ですが「ソーシャルメディアやクチコミ(UGC)は魔法の杖ではないし、増えてほしいと願うだけでクチコミ(UGC)は増えない」ということです。

実は、トライバルが企業のソーシャルメディアマーケティングを支援しはじめた頃から、クチコミ(UGC)を増やしたいと考える企業の宣伝・広報・マーケティング担当者は数多くいらっしゃいました。

その度に、代表の池田は講演で「ソーシャルメディアマーケティングが魔法の杖でない」ことを啓発していました。以下の資料は、2014年の講演資料から抜粋したものです(古すぎて本人に怒られるかも……)。

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※資料における「S/M(M)」とは「ソーシャルメディア(マーケティング)」を指します。

この資料を見て「そんなまさか」「こんなことを言う担当者って本当にいる?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在も「ほぼ予算を割かず」「担当者は他業務と兼務で」「とにかく投稿すればOK(投稿すればクチコミも増える)」と考える担当者は多いです。

繰り返しますが、ソーシャルメディアマーケティングやクチコミ(UGC)は魔法の杖ではありませんし、適切な予算と手間をかけずに成果を得ることはできません

また、クチコミ(UGC)の内容を企業やブランドがコントロールすることはできないことにも注意が必要です。
大切なのは真摯に生活者と向き合うこと、あくまで生活者主体で考えること、そして生活者が「クチコミしたくなる」気持ちのよいコミュニケーションをすることの3点をしっかり心がけましょう。

適切な考え方と手法(そして予算)を効果的に活用できれば、「理解」や「利用・購入意向」を向上させることができ、「好意」や「推奨」につなげることができる。そして、売上にも影響力があるのがソーシャルメディアマーケティングです。

ユーザーの心を動かすクチコミ(UGC)が売上につながる

注意したいことの2つ目は、クチコミ(UGC)であればなんでも良いわけではないということです。

先ほどもご紹介した書籍「消費者行動の実証研究」では、Twitter上のフォロー&リツイートキャンペーンで増えたクチコミ(UGC)は、販売実績に影響を与えていなかったことについても言及しています(販売実績に直結していませんでしたが、フォロー&リツイートキャンペーンは認知獲得に有効です)。

また、元マクドナルドのCMOである足立 光さんもこちらの記事で、話題性に貢献したが売上に貢献しなかった事例と、売上に大きく貢献した事例を紹介しています。
公式アカウントの投稿をリツイートさせるだけでなく、ユーザーの心を動かしたり、買いたいと思わせたりするクチコミ(UGC)が増えるほど売上に貢献しやすいといえます。

そして書籍「ブランディングの科学(新市場開拓篇) ※5」では、クチコミ(UGC)は「買いたい気持ちが低い」人にリーチしたときに高い影響力を及ぼすものの、クチコミ(UGC)がリーチしやすいのは「買いたい気持ちが高い」人であるという齟齬についても触れられています。
誰から誰へクチコミ(UGC)が伝わってほしいのかをしっかり考慮する必要があると言えるでしょう。

長くなりましたが、ここからが本題です。ソーシャルメディアマーケティングにおける最適解を考察していきます。

※5 ブランディングの科学 [新市場開拓篇] エビデンスに基づいたブランド成長の新法則/朝日新聞出版/バイロン・シャープ(著)、ジェニー・ロマニウク(著)、加藤 巧(監修)、前平謙二(翻訳)/2020年8月20日

ソーシャルメディアマーケティングの最適解

結論からお伝えすると、クチコミ(UGC)を増やすためのソーシャルメディアマーケティングの最適解は以下の3つをかけ合わせることだと考えています。

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「会話」をうながす公式アカウント運用
公式アカウントが起点となり、アカウントとフォロワー、フォロワー同士のコミュニケーションをうながすアカウント運用
② 関係性に着目したインフルエンサーマーケティング
インフルエンサーの力を借りて、生活者同士の「情報伝達」をうながすマーケティング
良質なクチコミ(UGC)を後押しするプロモーション
ソーシャルメディアに「話題のタネ」をまき、良質なクチコミ(UGC)を増やすプロモーション

アカウント運用やプロモーションをそれぞれ単体で考えるのではなく、①~③をかけ合わせることで特定のプラットフォーム上でクチコミ(UGC)がリーチする範囲が広がり、クチコミ(UGC)数を中長期的に最大化させることができます。

また、売上につながる良質なクチコミ(UGC)とは、人の心を動かして、購入や利用に対して前向きにさせる内容を指します。
まだまだ議論の余地はありますが、商品やサービスの購入・利用意向が高まり、売上につながるクチコミ(UGC)には、それらを見たユーザーに以下のような気持ちを抱かせると考えています。

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以下より、①~③についてご説明します。

①「会話」をうながす公式アカウント運用

公式アカウント運用では、多くのファン・フォロワーから反応してもらえるコンテンツを投稿して、エンゲージメント数・率などを指標に効果測定するのが定石とされています。

そういった運用は重要ですが、ファン・フォロワーを興味喚起してエンゲージメントを多く獲得するため(だけ)の運用に舵を切ってしまうと、KGIに設定するような好意度を向上したり、ブランドや商品の売上に貢献したりする影響範囲を狭めてしまいます。

これからの公式アカウント運用には、アカウントが主体となりフォロワーに向けて発信するだけでなく、フォロワーやフォロワー同士に「会話」をうながすファシリテーター的な役割が必要です。

こちらのnoteでも詳しくご紹介していますが、例えばユーザーの投稿を「引用リツイート」をして会話を展開したり、UGCを促したり、ユーザーに「コメント」を引き出してコミュニケーションを促進する運用を指します。好意的なクチコミ(UGC)を増やすアカウント運用をすることが重要だといえます。

② 関係性に着目したインフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、近年注目を集めているマーケティング手法です。一方で、代表の池田もnoteで問題提起をしましたが「リーチを買う」ようなインフルエンサー起用が目立っているのも事実です。

我々は、インフルエンサーマーケティングを「クチコミ(UGC)を増やすソーシャルメディアマーケティング」としてを捉えなおすことで「①公式アカウント運用」に良い影響を与えるだけでなく、ソーシャルメディアマーケティングに広がりをもたらすことができると考えています。

ここで、冒頭でもご紹介した「“売りにつながる”ソーシャルメディアとインフルエンサーの実態調査」の調査結果をご覧ください。

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本調査では、インフルエンサーを「SNS上でフォロワーの多い人」と定義しています。
「インフルエンサー(グラフのオレンジ色)」は、「特定のカテゴリーや領域に詳しい投稿者(ピンク色)」や「ライフスタイルや趣味が似ている投稿者(緑色)」に比べて影響度が低い結果となりました。

ソーシャルメディア内には多くの「ソーシャルグラフ(実際の人間関係にもとづくネットワーク)」と「インタレストグラフ(興味関心にもとづくネットワーク)」が存在しています。この調査結果はフォロワーが多いユーザー(インフルエンサー)より、後者のような特定のネットワーク内におけるユーザー(社会学におけるKOL ※6)の影響力が高いことを示しています。

ソーシャルメディアマーケティングにおいて「売上が増えるクチコミ(UGC)を増やすこと」を目的とした場合は、影響力の高いユーザーと協力していくことが有効であり、よりユーザーの心を動かすことができると考えられます。

トライバルでは、このKOLに近い考え方として、“購入に関するフォロワーの意識や行動に影響を与えていること”と、“ブランドに対する愛着がある”両方の条件を兼ね備えたインフルエンサーを「ブランドインフルエンサー」と定義しました(詳しくはこちらのnoteをご参照ください)。

※6 KOL(Key Opinion Leader)とは、特定のネットワーク内における影響力の高い人のことを指します。中国では、インフルエンサーはKOLと呼ばれています。

③ 良質なクチコミ(UGC)を後押しするプロモーション

短期間で多くのクチコミを生むために実施するプロモーションを指します。公式アカウントを運用して“バズる”投稿をすることではなく、ソーシャルメディア上に「話題のタネ」を提供して、多くのクチコミ(UGC)とクチコミ(UGC)への反応を増やすことができます。

こういったプロモーションを企画する際に注意したいのは、商品やブランドに対して生活者がどういった文脈で捉えているのかという点です。

商品の性能や機能を起点としたコミュニケーションを行うのではなく、生活者が日常的にそのブランドに対して感じる「価値」をいかにプロモーションの軸にできるかどうかが重要です。それを知るためには、徹底的にソーシャルメディア上でユーザーの声を拾うソーシャルリスニングをする必要があります。
プロモーションの考え方については、こちらのnoteをご覧ください。

ご紹介した3つのうち、①公式アカウント運用は中長期的な施策ですが影響範囲がアカウントのフォロワー(とそのフォロワー)に限定されてしまいますし、反対に③プロモーションは影響範囲が広い一方で短期的な施策です。

②インフルエンサーマーケティングは、KOLやブランドインフルエンサーと中長期的に関係値を築いていくことも可能ですし、単発的なインフルエンサーマーケティングとして行うことも可能なため、①公式アカウント運用や③プロモーションとかけ合わせることでより良い効果を発揮するでしょう。

ソーシャルメディアマーケティングの最適解まとめ

長文となりましたが、本noteのまとめです。

・クチコミ(UGC)が増えると、売上につながる
・やみくもに増やすのではなく、人の心を動かすクチコミ(UGC)を増やす必要がある
・ソーシャルメディアマーケティングの最適解は以下の3つをかけ合わせること
 ①「会話」をうながす公式アカウント運用
 ②関係性に着目したインフルエンサーマーケティング
 ③良質なクチコミ(UGC)を後押しするプロモーション

3つをかけ合わせることで、クチコミ(UGC)する人数、そしてクチコミ(UGC)がリーチできる範囲の最大化を狙うことができます。
以下の図のように、1つのプラットフォームで少しずつクチコミ(UGC)を堆積させていくイメージです。

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最後に、「このソーシャルメディアマーケティングの手法は、すべての企業やブランドで活用できるのか?」という問いに触れておきますが、その答えは「NO」です。

企業やブランドによってはクチコミ(UGC)が増えづらい場合もあるため、まずはソーシャルリスニングなどを活用してクチコミ(UGC)の数や内容を調べることをおすすめします。

トライバルでは、ご紹介した手法について担当者の皆さんと日々試行錯誤しながら取り組んでいます。これからの環境変化によっては最適解をアップデートする必要がありますので「トライバルとソーシャルメディアマーケティングの未来を描きたい」「トライバルに相談したい」と感じてくださった方は、ぜひお問い合わせください。

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トライバルメディアハウスは「ソーシャルエコノミーでワクワクした未来を創る。」をミッションに掲げるマーケティング会社です。マーケターやクリエイターが抱えるマーケティング課題を解決する場として、noteを公開しています。

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