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一度は諦めかけた「顧客志向」。ファンと実現した第一歩とは? ―― ポーラ APEX 菅千帆子氏インタビュー(1/ 3)

こんにちは。トライバル noteチームです。

「ファンを大切にしたマーケティングをしよう」という考え方が、多くの企業で急速に広まっています。トライバルも、ファン(熱狂顧客)を大切にするというマーケティング手法「熱狂ブランドマーケティング」や「共創マーケティング」を掲げ、多くの企業さまをご支援してきました。

その取り組みの中で出会った方々に、ファンと取り組むマーケティングの全容を“ありのまま”に語ってもらう本企画は、ブランド担当者たちがファンと築く素敵な関係性を日々マーケティングと向き合う皆さんに知ってもらいたい! という想いからスタートしました。

今回、マーケティングデザイン第3事業部の松井が行うインタビューでは、3回にわたりマーケティングの全容やプロジェクトの成果、そして未来についてお話しいただきます。

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株式会社ポーラが展開する個肌対応ブランド(※1)「APEX(アペックス)」のブランドマネージャーである菅 千帆子(かん ちほこ)氏も、ファンを大切にするマーケティングに取り組む1人。

APEXでは、2016年3月から限定コンテンツの配信などを行う会員制のクローズドファンコミュニティ「APEX LOUNGE(アペックス ラウンジ)」を運営するとともに、工場見学や地方都市でのイベント開催といったオフラインでのファン交流も積極的に行っています。


松井:まずはポーラの事業と、APEXブランドについて教えてください。

菅氏:株式会社ポーラは「Sience.Art.Love」を企業理念に、日本初承認のシワを改善する薬用化粧品リンクルショットなど、常に革新的な価値の提供を目指す化粧品会社です。

なかでもAPEXは、ポーラを代表する個肌対応ブランドです。専用ツールを使ったスキンチェックでお客さまの肌情報を確認し、肌表面だけでなく肌内部まで分析することで今の肌状態と未来のエイジングのしやすさなどを予測。256万通りのスキンケア、3,600通りのメークの中から、その方のために選び抜かれた化粧品をご提案します。

スキンチェックや分析結果を記載したアドバイスシートと、その結果にあわせた初回のサンプルをお渡しするなど、他社には類を見ないほどお客さまに寄り添ったブランドです。

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ですが、一般的な化粧品メーカーとは異なり、ポーラは委託販売契約を結んだショップのオーナーやビューティーディレクター(以下、BD)を通してお客さまに商品をお届けするのが特徴です。

その視点で見ると、APEXは(個肌に寄り添う意味で)「顧客志向のブランド」である一方で、社内では「(売り手である)BDが、スキンチェックとサンプルを通じて、お客さまと最初の接点を作りやすいブランド」、「BDが総合的な肌知識を得るための教育ブランド」と捉えられがちでした。商品企画やマーケティングにおいても、「オーナーやBDが売りやすくするにはどうすればよいか」という目線を求められていたんです。


松井:その状況に、菅さんは課題を感じていたそうですね?

菅氏:以前、私は直営店の立ち上げに関わっていたので、実際に店舗で接客をした経験から「カスタマーエクスペリエンス」に強い関心がありました。

「APEX(アペックス)」のブランドマネージャーになったときもお客さまのことはオーナーやBDに任せがちで本社部門のスタッフがお客さまと直接お会いすることがない状況や、商品企画やマーケティングの目線がオーナーやBDにばかり向いていることにずっと違和感を持っていたんです。ただ、そういうものだから仕方ないと諦めていた部分もありました。


松井:そんななかで、「APEX LOUNGE」を立ち上げるに至った経緯を教えてください。

菅氏:そんな私を近くで見ていたマーケティング部門のスタッフが、ある日声をかけてくれたんです。「菅さん、『共創マーケティング』(※2)って知ってますか? あるセミナーで話を聞いてきたんですけど、新規のお客さまとの出会いが多くて、お客さま一人ひとりと向き合っているAPEXにぴったりだと思うんです」と。

ちょうどそのころ、社内的にも「BDの先にいるお客さまにもっと目を向けよう」という「顧客志向」の流れが生まれ始めていたこともあり、その話を聞いた瞬間に「これだ」そして「今だ」と確信をしました。なんの迷いもなく「乗った!」とひと言告げて(笑)、次の日にはもう実現に向けて動いていたのを覚えています。

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その後、同じ気持ちを持つスタッフや、社内の新しい流れに背中を押してもらって準備を進めました。トライバルさんとのお取り組みも、ここから始まりましたね。

まずは、お客さまと直接向き合えるようにするために「共創」の視点を加え、APEXに強い愛着を持ってくださっているお客さま(当時、約120名)を会員(以下、LOVERS )としてご招待したクローズドのファンコミュニティ「APEX LOUNGE」を2016年3月に立ち上げています。

「APEX LOUNGE」では、APEXのこだわりを紹介するコラムや最新情報の発信、コミュニティサイト上での交流・情報交換、LOVERSの皆さまに「会いに行く」をコンセプトにしたMeetupイベントなどを開催しています。


松井:初めてLOVERSにお会いした時の気持ちはどうでしたか?

菅氏:LOVERSとの初めてのオフ会イベント「肌分析センター見学会」のことは、いまでも鮮明に覚えています。私は普段、プレゼンテーションや外部講師などでお話しする時も、全く緊張しないんです。それなのに、オフ会当日にLOVERSの皆さまが集合場所を目指して歩いてくる姿を見た瞬間、「嬉しい」「ワクワク」と同時に「怖い」「不安」といったいろんな感情が押し寄せてきて、経験したことのない緊張に襲われたんです。あの状態は、自分でも本当に驚きました。

ちなみにこの日の経験は、他のメンバーにとっても大きな出来事だったようです。それまでこのプロジェクトにちょっぴり懐疑的だったメンバーまでもが、この日を境に「(お客様にもっと目を向けよう、という考えは)これで合っているんだ」と確信をもち、今度は逆に中心人物となってどんどんと人を巻き込んでくれるようになりました。ここから一気にチーム全員が「顧客志向」に目覚めたといっても過言ではありませんね。

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この日以降もたくさんのLOVERSの方にお会いしていますが、お話しするたびに刺激と感動をもらっています。なかでも、“印象的”を通り越して“衝撃的”だったのは、ある方の「もし地震が起きたら、真っ先にAPEXを持ち出し(て逃げ)ます!」という言葉。

化粧品会社で働く私が言うべきことではないのかもしれませんが、これだけ身の回りに物が溢れているなかで、化粧品が一人の女性の人生の「1番」になるとは、考えもしませんでした。

それと同時に、私たちが化粧品を通して提供していることは、努力次第でもっと高みを目指せる、もっと意義を生み出せると勇気を与えてくださった言葉でもありました。私たちはそれだけの責任と覚悟をもってこのブランドと向き合えているのかなと、何かあるたびに反芻しています。この言葉を聞いた時の気持ちは、絶対に忘れてはいけないと思っているんです。

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一度は封印した思いを、ブランドマネージャーになったのを機に実現し、努力を続けている菅氏。次回は、このプロジェクトが生み出した具体的な成果についてお話をお聞きします。

※1「個肌対応ブランド」:肌の個性・地域・環境・ライフスタイルに合わせて、一人ひとりの肌にベストなケアを提案するカウンセリングサービス&プロダクト

※2「共創マーケティング」:共創(Co-creation)をコンセプトに、企業と顧客が中長期的な関係を築きながら新しい価値を共に生み出していくマーケティング手法

第2回はこちらからご覧ください!

インタビュー:マーケティングデザイン第3事業部 松井勝彦
Twitter:@m2ka2zura 
note:https://note.mu/markegohan

※このnoteは、2018年9月にトライバルブログでアップした内容を再編したものです。

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トライバルメディアハウスは「ソーシャルエコノミーでワクワクした未来を創る。」をミッションに、デジタル・リアルを問わず、さまざまな手法で企業のマーケティング課題を解決しています。公式noteでは働く人やマーケティングのことを発信中。
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