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【トレンド・企業事例あり】若者に支持されるSDGsコミュニケーションとは?

今回は「若者に向けたSDGsコミュニケーション」をテーマに、若者(本記事では14~25歳)のSDGsに対する意識の実態から最新のトレンド・企業の取組事例、企業やブランドのコミュニケーションポイントまでを幅広くご紹介します。

10~20代をコミュニケーションターゲットとする企業・ブランドの宣伝・広報・マーケティング担当者や、SDGsに関連したマーケティングコミュニケーションを検討している方はぜひご覧ください。

※本記事は、トライバルメディアハウスとSHIBUYA109 lab.が開催したセミナーの一部を書き起こしたものです。

若者の約6割は社会課題・SDGsに関心がある一方で、具体的に取り組んでいない

SHIBUYA109lab. が実施した「社会課題・SDGsに関する調査(※1)」によると、若者の約6割が社会課題解決に関心があることが分かりました。

本調査における“社会課題解決”とは、環境問題、人種差別、性差別(ジェンダー平等)、貧困問題、戦争・紛争の問題、働き方の問題などの解決を指します。

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※1 around20の男女を対象に実施した社会課題・SDGsに関する調査/SHIBUYA109lab. /2020年8月18日

半数以上が社会課題解決に対して関心を持つ一方で、課題解決に対する取り組み状況については「具体的に取り組んでいることはないが、情報収集をしている」「関心はあるが、特に具体的に取り組んでいることはない」と回答した方が約6割という結果に。課題解決やSDGsに向けた取り組みをしている若者は少ないことが分かります。

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また、同調査の「あなたが今後今よりももっと社会課題の解決に取り組むには、どんなメリットやきっかけがあればよいと思いますか。」という設問には、「お金の節約になる」と回答した割合が最も高い結果となりました。

次に回答の割合が高かったのが「社会課題について知る機会が身近に増える」「自分が関わった事柄の成果が見える」で、若者の取り組みにおいては社会課題解決になるだけでなく、自分にもメリットがある(win-winである)点や実際に成果が見えるという点がポイントになっているようです。

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若者におけるSDGsトレンドをピックアップ

SHIBUYA109lab. の調査結果から、若者は社会的課題やSDGsに関心が高いことが分かりました。ここからは、若者が関心を寄せるSDGsトレンドをご紹介します。

この内容は、セミナーに登壇したトライバルのSDGsマーケティングチーム「Good Tide(グッドタイド)」山下と若年層マーケティングチーム「Spark!(スパーク)」の平井がピックアップしました。

1)エコなだけでない「マイボトル」
折り畳めるマイカップ「Stojo(ストージョ)」やステンレスボトルブランド「Hydro Flask(ハイドロフラスク)」、無印良品の「自分で詰める水」などのブランドや商品が若者の心をつかんでいます。

いずれも、使い捨てされるプラスチックゴミを減らして環境負荷を減らすだけでなく、お気に入りのマイボトルを使って日々の生活をより鮮やかにしたいと考える若者が多く、「おしゃれにエコできる」点がポイントです。

2)オープンに表現する「性・生理」
テレビ東京で2020年8月に放映された「生理キャンプ2020~前代未聞!生理の特番?テレ東、あえて話し合っちゃいます!~」は、生理だけをテーマにした番組として話題になりました。番組内では生理のあるあるエピソードや日本と海外の生理用品の違いなどを取り上げており、同局のYouTubeアカウントの動画は現在135万回再生されています(2020年12月時点)。

また、YouTubeでは女優の仲里依紗さんやインフルエンサーのゆうこすさん、カップルで動画を配信する方々が生理をテーマにした動画を公開しており、生理について発信するハードルが下がっていることが分かります。

NHKの情報番組「あさイチ」が性的合意に関する内容を放送したり、AbemaTVのオリジナルドラマ「17.3 about a sex」では女子高校生の"性の価値観"がテーマにされたりなど、メディアにおいても性に関する報道がよりオープンになっているようです。

必要なのは、若者のモヤモヤを代弁したコミュニケーション

このようなトレンドに関心を寄せる若者に対して、企業やブランドはどのようにコミュニケーションをすればいいのでしょうか? 社会問題や環境問題に関心のある若者に向けたコミュニケーションのポイントを解説します。

若者に支持される企業・ブランドになるためには
・若者のモヤモヤを代弁する
・行動にうつすためのきっかけを提示する

ことが重要です。

企業やブランドの考えを発信するだけでなく、若者のモヤモヤを起点にしたコミュニケーションを通して行動にうつすためのきっかけを与えることで、より支持されやすくなるでしょう。一つ目の「若者のモヤモヤを代弁すること」については、3つの取組事例をもとにご紹介します。

1)無印良品「生理用ナプキン」
無印良品は2020年10月に「生理用ナプキン」の販売を開始し、シンプルなパッケージが大きな反響を集めました。

一般的に生理用品は花柄やレース柄などのデザインが多くありますが、ひと目で生理用品だと分かってしまうことから、後ろめたい気持ちで商品を手にとる方も多かったようです。本商品は、そのモヤモヤを代弁して、“シンプルなデザインの生理用品”という選択肢を提示したことが話題になった要因だと考えられます。

2)PEACH JOHN リアルサイズモデルの採用
下着ブランドのPEACH JOHNは、一般から募集した「リアルサイズモデル」を採用したプロモーションを実施。リアルサイズモデルとは、等身大の姿で下着を着こなし、ありのままの魅力を発信することで、現代女性に共感を与えポジティブな気持ちを伝えるモデルのこと。

彼女たちを採用した広告はエンゲージメントやオンラインショップへの誘導率が高く、2020年9月には2回目となるリアルサイズモデルを募集しました。

このプロモーションの背景には、背の高さや骨格など体の特徴は多様で人それぞれなのに、なぜ下着モデルは背が高くてスリムな外国人ばかりなのか、といったモヤモヤがありました。体が細くてもいいし、がっちりしていてもいい。「みんな違って美しい、多様性をポジティブに楽しもう」というメッセージが反響につながったと思われます。

3)パイロンPLシリーズ「かぜの時はお家で休もう!」
医薬品のパイロンPLシリーズは、風邪薬における「かぜでも休めないあなた」といったメッセージではなく「かぜの時はお家で休もう!」を発信して、多くの共感を得ました。

なぜ具合が悪いときに頑張らなくてはいけないのかというモヤモヤを払拭するメッセージとなり、「当たり前のことを言ってくれるようになった」などのクチコミがされていました。

企業やブランドが掲げるマーケティングメッセージは「こうあるべき」という理想の姿を提示するものがありますが、特に若者は「ありたい自分」「実現したい世界」といった理想が人によって異なっていて当然だと認識しているので、選択肢がないことにモヤモヤしてしまいます。

企業やブランドは、そのモヤモヤを代弁して在りたい姿を提案することが大切です。また、選択肢を提案する際は「こうだよね」と決めつけるのではなく、「こういう選択肢もいいよね」と共感、応援するようなアプローチの仕方が重要だと考えています。

そして、若者に行動してもらうためのきっかけづくり

二つ目の「行動にうつすためのきっかけを提示すること」については、2名のインフルエンサーと企業や団体の取組事例を通してご紹介します。

長谷川ミラさんと森星さんは、いずれも自ら社会を変えるためのアクションを取りながら、身近なものをテーマにして分かりやすく発信しています。

長谷川ミラさんは、ファッションを通して社会問題を勉強・解決していくコミュニティ「MiMo Tokyo」を主宰しながら、オールジェンダーブランド「JAMESIE TOKYO」を手掛け、メディアを通してファッションの選択肢について伝えています。

森星さんはNGO団体 プラン・インターナショナル・ジャパンによる「Because I am a Girl」キャンペーンのエンジェル(メッセージを伝える人)として活動し、さまざまな問題に直面する女の子たちのいる途上国に訪問したり、雑誌や自身のYouTubeチャンネルで社会・文化の側面から「自分や自然に気持ちがいいこと」を体験して発信したりしています。

また、高機能なアウトドアウェアとギアを製造・販売するパタゴニアは、環境に配慮した服作りをしながら、2019年7月の「第25回参議院議員通常選挙」時に「VOTE OUR PLANET 私たちの地球のために投票しよう」というメッセージを掲げました。

直営店での「ローカル選挙カフェ」の開催やステッカーの配布、ハッシュタグ「#私たちの地球のために投票しよう」を付けた投稿の呼びかけ、7月21日 投票当日は全直営店を閉店するなど、投票に行くことを後押しするだけでなく人々を巻き込むようなアクションを提示しました。

2019年の「パタゴニア」ツイート数を調べると(※2)、選挙当日の閉店を発表した7月3日は7500件以上ツイートされており、プレゼントキャンペーンを実施した1月23日のツイート数の約5.8倍でした。さらに、参院選の行われた7月は約4万2000件のツイートが確認でき、前月比で約6.2倍を記録しました。

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※2 トライバルのソーシャルリスニングツール「ブームリサーチ」を活用して「パタゴニア」「Patagonia」のツイート数を算出/集計期間 2019年1月1日~12月31日

2名のインフルエンサーや企業の取組事例から分かるのは、社会課題を身近なテーマや取り組みやすい行動に置き換えて発信することで、若者が行動にうつすためのきっかけをつくっているということ。そして、仲間を誘う機会をつくったり、離れたところにいる人も仲間として巻き込んだりして「やってみようよ」というオープンな雰囲気をつくることが重要だということです。

こうした雰囲気にはソーシャルメディアに投稿しやすいという側面もあるため、クチコミによるメッセージやプロモーションの広がりも期待できるでしょう。

若者に向けたSDGsコミュニケーションを企画する際は、世界規模のゴールではなく若者の身近に転がる不便・不平等・理不尽などの違和感をとらえて、参加しやすい方向にデザインする(既存の施策であればリデザインする)ことがポイントです。

未来の買い手に向けたコミュニケーションとは

今後、社会変化に対する意識が強い若者が今後買い手の中心になると「周りの人や環境を傷つけない」「ありたい未来を追求できる」ビジョンやストーリーを持つブランドや商品が選ばれやすくなるでしょう。

まだSDGsに関する施策を実施していない企業やブランドは
・ソーシャルリスニングやインタビュー調査で若者のインサイトを把握すること
・社内の若者の感覚や意見を積極的に取り入れること
などから少しずつ取り組むことをおすすめします。

トライバルのSDGsマーケティングチーム「Good Tide」は、SDGsや社会課題に関心のある若者に向けたコミュニケーションをご支援しています。Good Tideのご支援内容をまとめた資料は以下よりダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください。

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