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「すぐに結果は出なくていい」18年連続増収を実現できた“シンプルな理由”【第4回 池田紀行のマーケ飯】

代表の池田(@ikedanoriyuki)が、さまざまなフィールドの第一線で活躍されている方とご飯を食べながらカジュアルに議論する企画「マーケ飯」。

第4回のゲストは、ヤッホーブルーイング(以下:ヤッホー)で代表取締役社長を務める井手直行さん。ニックネームで呼び合う文化があるヤッホーのメンバーからも、社外のファンからも親しみを込めて「てんちょ」と呼ばれています。

「よなよなエール」を中心としたクラフトビールの製造販売を行っているヤッホーは、「ビールに味を!人生に幸せを!」をミッションに掲げ、18期連続で増収を続けており、コロナ禍においても勢いのあるビールメーカーです。

今回のテーマは、「圧倒的強者が多いビール業界で成長を続けるための戦略と組織づくり、そしてマーケティングへの向き合い方」です。お互いを「池ちゃん」「てんちょ」と呼び合い経営者同士親睦を深める二人。企業のマネージャーからプレイヤーまで、多くの方々に有益で示唆に富んだ議論が行われました!

株式会社ヤッホーブルーイング 代表取締役社長 井手 直行 氏
ニックネームはてんちょ。
国立久留米高専を卒業後、電気機器メーカー、広告代理店などを経て、1997年ヤッホーブルーイング創業時に営業担当として入社。地ビールブーム終焉の後、再起をかけ2004年楽天市場店の店長としてネット通販事業を軸にV字回復を実現。2008年より現職。
ヤッホーブルーイングはフラッグシップ製品「よなよなエール」を筆頭に、個性的なブランディング、ファンとの交流にも力を入れ、現在まで18期連続増収、クラフトビール国内500社の中でシェアトップ。「ビールに味を!人生に幸せを!」をミッションに、新たなビール文化の創出を目指している。
トライバルメディアハウス 代表取締役社長 池田 紀行
1973年 横浜出身。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。大手クライアントのソーシャルメディアマーケティングや熱狂ブランド戦略を支援する。日本マーケティング協会マーケティングマスターコース、宣伝会議講師。 「キズナのマーケティング」「ソーシャルインフルエンス」「次世代共創マーケティング」など、著書・共著書多数。

ヤッホーブルーイング、快進撃の裏側

池田:てんちょとご飯を食べるのは久しぶりですね! お元気でしたか? コロナ禍でビール業界全体の売上が下がっていると聞きますが、ヤッホーは絶好調ですね!

井手:池ちゃんもお元気そうで何よりです! そうですね、2020年は4~9月の月商が昨対比20~30%増加、12月は50%増加でした。クラフトビールメーカーとしては珍しく、コンビニなど生活者の目に留まりやすい販売チャネルを開拓してきたので、コロナ禍の市場環境とマッチしたのかもしれません。

池田:月商がそこまで伸びたのはすごいですね! 販売チャネルの拡大とあわせて、巣ごもり需要も影響しているんでしょうか?

井手:それはあると思います。緊急事態宣言や外出自粛の影響により、お家で飲む人が増えたため、第三のビールのような安価なビールに加えて特別感のあるビールが売れています。

池田:市販されているビールのなかで特別感のあるものと言うと、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」などが代表的だと思うんですが、そういったビールを求める層の需要にヤッホーのクラフトビールが応えているということですか?

井手:そうですね。特別感のあるビールとしてクラフトビールが選ばれる潮流があるようで、そのなかでもヤッホーの主力製品である「よなよなエール」を選んでくださる方が多いんですよね。

池田:以前からコンビニだとローソンで取り扱われていましたけど、昨年からよなよなエールはセブン-イレブンに置かれるようになるなど、入手しやすさが高まりましたもんね。

井手:クラフトビールは取り扱う小売店がまだまだ少ないから、コンビニで取り扱って貰えたことで、クラフトビールを飲みたいときに、ヤッホーのビールをすぐ手に取ってもらえるという好循環が生まれてますね。こうして販路を拡大できたことを私は「運が良かった」と思ってますが、いろんな方に「(施策を積み重ねてきたのだから)たまたまじゃない」と言ってもらえてます。

私たちは長野県 軽井沢の地ビールとして生まれ、最初は地元が主な商圏でした。でも、地ビールのブームが終わって、どこの小売店にも置いてもらえなくなって……そこでインターネット通販でビールを売り始めたんです。

少しずつですが「よなよなエールというのが美味しいらしいぞ」とインターネットのクチコミで評判になり、スーパーやコンビニなどにヤッホーの製品を置いてもらえるようになりました。そういった積み重ねをしてきたから、いまでも売上が増加しているのかなと感じてます。

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池田:いまではビールの製造販売だけでなく、飲食業にも取り組まれてますよね。(今回の収録場所である)赤坂の「YONA YONA BEER WORKS(よなよなビアワークス)」は、オープンして何年になりますか?

井手:もう7年経ちましたね。「よなよなビアワークス」があることで、ヤッホーのファンが「よなよなエールっていう美味しいビールがあるんだけど、飲みに行かない?」と友達を連れて来てくれるんです。そうしてインターネット通販でリーチできない人に私たちのビールを試しに飲んでもらう場所になってます。

ビールの味やホスピタリティに感動してもらって、ファンイベントにも来ていただいて、ヤッホーを好きになっていただくという仕組みがうまくワークしているように思います。

池田:店頭でただビールを飲むだけでなく、店員さんのホスピタリティやイベントでの満足感を通じてビールのマインドシェアを獲得することで、インターネットや小売店でも買ってもらえるという流れが生まれているわけですね。

賢者の理論を信じて、やり抜くことが大切

池田:いまの快進撃はすばらしいですよ。僕はあらゆるマーケターがてんちょから見習うべきだと思っていることが一つあるんです。それは、「強者と比べて予算や人などのリソースが劣る状況下で、どのように勝負するか」という戦略の考え方。てんちょはその考え方が非常に優れていると思ってます。

トライバルもいろいろな企業のマーケティング支援を行ってますが、業界で2位や3位の企業が、シェアも広告宣伝費も勝る業界1位の企業とまったく同じ戦い方をしようとしている企業は少なくありません。

リソースが大手に劣る企業は、大手と同じことをやっても勝ち目がない。それなのに「なぜ大手と同じ戦い方をするんですか?」と尋ねても答えがないことが多いんです。

リソースに限界がある企業は、意図して大手とは違う戦略を展開し、市場の中で特定のポジションを築き一点突破して戦うべきだと僕は思います。ヤッホーはそういった戦略を続けている点で、非常に戦略性に優れていると言えるんじゃないでしょうか。

ヤッホーの成長を支える戦略やその向き合い方について、てんちょはどう考えていますか?

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井手:私たちはマーケティングや企業経営に関する特別な知識を持っているわけではないと思ってます。でも、ありがたいことに、一昨年はコトラーアワード(※1)、去年はポーター賞(※2)を受賞したことで、自信を持てるようになりました。

なぜそのような結果になったのか考えると、社内のメンバーに“戦略”についての知識や基礎をしっかり学ばせ、徹底することの大切さを日ごろから伝え続けていることが理由かもしれません。

私たちはMBAに通っているわけでも、マーケティングのプロでもありません。でも、一度営業メンバー全員に「ランチェスター戦略(※3)」を学びなさいと言ったことがあったんですが、彼らはしっかり学んできてくれて、その結果「局地戦」などの共通言語が生まれました。

メンバー同士が戦略について意思疎通できていて、ちゃんと実行まで移せる状態が実現できているのかなと。

※1 “マーケティングの神様”と評されるフィリップ・コトラー氏が、世界10カ国以上で開催するアワード(日本ではNewsPicksが主催)。デジタル時代における“企業のエンジン”となるべきマーケティングを展開し、「マーケティング4.0」を実現している企業、サービス、人にスポットを当て表彰している。
※2 ハーバード・ビジネス・スクールの経営学教授 マイケル・ポーター氏に由来するポーター賞は、製品、プロセス、経営手腕においてイノベーションを起こし、これを土台として独自性がある戦略を実行し、その結果として業界において高い収益性を達成・維持している企業を表彰している。
※3 第一次世界大戦をきっかけに、エンジニアであったフレデリック・ランチェスターが開発した軍事モデルを基とする競争戦略論。同じ武器なら兵力数で勝敗が決まるという考えをベースに、市場の弱者と強者がどのように戦うべきかを説いている。

池田:経営者に大切なのは経験・勘・度胸の「KKD」だとよく言われますよね。それも大切だと思うんですが、(ヤッホーの創業者である)星野リゾートの星野さんも井手さんも、競争戦略に関する研究の第一人者であるポーターやマネジメントの父と呼ばれるドラッカーが説く理論に関する基本知識はしっかり持っていらっしゃいます。

そういった普遍的な理論や成功法則を、戦略に反映して愚直に実行し続けている。なおかつその知識をちゃんと組織に浸透させていますよね。他社から見ると「え、そんな単純なことでいいの?」ということを、とことんやりきってることが大きな強みであるように思います。

井手:経営者は戦略のことを理解しているけど、「現場に考え方が浸透していないから実行力がない」といった課題を抱える企業は多いのかもしれません。星野が以前、自身の企業経営を考えるうえで参考にしていた本をまとめた「星野リゾートの教科書」という書籍を出版したのですが、そのなかに「セオリーがまとめられている書籍や昔から良著だと言われている書籍に記述されている理論を実践するのが良い」と書いてあったんですよね。

また「なんでうまくいかなかったのか?」「書籍の内容が理解できてないのではないか?」「書いてあることを完全に実行できているか?」と見つめ直すことや、「書籍のことを信用できているか?」という姿勢の重要性も触れられていました。

賢者と呼ばれる人によって、多くの理論やケーススタディにもとづいた研究結果をまとめた書籍があるとしたら、その内容を実践してみてうまくいかなければ、それは書籍が悪いんじゃなくて、自分たちが悪いということなんです。

だから僕は、基本を徹底するという点を見習ってます。

池田:誰かが「うまくいってない」と言っているのを聞くと、賢者と呼ばれる人たちが膨大な時間をかけて研究し、たどり着いた成功法則をやりきったうえで「うまくいってない」と言っているのか? という疑問はありますね。

ありがちなのは、うまくいかないのは自分たちのせいではなく、成功法則やセオリーの元になった成功事例が特殊だから、と決めつけてしまうこと。

井手:「理論に基づいて行動するとき、その理論が間違っていたらリスクじゃないですか?」ってよく聞かれるんですが、確率論で言うと我流より絶対良い。未知の分野で我流かつ闇雲に取り組むより、成功する確率は高いはずです。

強みを活かしあうスキームを作る

井手:我流でやらないという例で言うと、この赤坂のお店も含めて「よなよなビアワークス」は私たちが経営しているわけではないんです。

池田:そうなんですか?

井手:はい、店舗の経営はユニークで特徴ある飲食店ブランドの展開に強みを持つワンダーテーブルさんに行っていただいてます。あくまで私たちはビールを卸すだけ。

飲食店を立ち上げることになったとき、最初はすべて自社のリソースを使って始めようとしたんです。でも、私たちはビールをつくって売ることはできるけれど、料理をつくりサービスを提供するといった飲食店の運営ノウハウは全くありませんでした。

それならば、自分たちの弱みはプロに任せ、自分たちの強みを活かしたほうがスピード感を持って展開できると考えたんです。僕たちの強みはおいしいビールをつくることと集客力があること。ワンダーテーブルさんの強みは、おいしい料理をつくれることと飲食店経営のノウハウを持っていること。

自分たちで店舗の運営はできないけれども、美味しいビールを提供することで、新しい顧客を獲得できる。そのようなトレードオフの選択をしました。ヤッホーが主催するイベントの会場として店舗を利用することで、ワンダーテーブルさんは集客効果を得られるのでWin-Winの関係というわけですね。

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池田:そのアライアンス関係も戦略的ですよね。大手のように飲食店にビールを卸す方式だと、他のビールメーカーが卸しにくることを止められない。逆に、自社で所有・経営をしてしまうとノウハウがないので、失敗するリスクが高い。その中間にあたる取引の関係構築が絶妙だと思います。 

井手:ビールメーカーで飲食店を運営している会社さんもあるんですが、運営は完全に外部委託しているというケースがほとんどなんじゃないでしょうか。

私たちはワンダーテーブルさんとの信頼関係と、強みの補完関係がうまく築けている。飲食業をやることそのものではなくて、お互いの強みを活かすスキーム(仕組み)が、強い競争力の源泉になっているんです。

人の話に耳を傾けることで、ヒット製品は生まれる

池田:さきほどの戦略の話に戻りますが、基本の戦略が上手くワークすると、応用したくなるのが人の性分だと思うんです。でも、てんちょはどこまでも基本に忠実な戦略で事業やマーケティング活動をしている。それはなぜでしょうか?

井手:学生時代、他の人はいろんな参考書を使ったり塾に通ったりしていたけど、僕は基礎的な参考書を何周も繰り返して勉強していたんです。基本を繰り返すことで点数が取れていたので、習慣の力もあるのかなと。

池田:「基本や基礎だけでも、点数取れるじゃん」っていう成功体験があるわけですね。

井手:そうですね。体験と習慣の力が大きいかもしれません。基本を突き詰めることに加えて、私は人の話を聞くことが好きなんですよ。ファンの声を聞いて眠っているニーズを掘り起こし、それが製品づくりに繋がったエピソードが1つあるんですけど……。

女性に人気の「水曜日のネコ」という製品は、ヤッホーが主催するファンイベントの運営を手伝ってくださった熱狂的な女性ファンの意見から生まれてるんです。イベントの空き時間に「なんでそんなにヤッホーのクラフトビールにハマったんですか?」と聞いてみたところ、もともと日本のラガービール(※4)は飲めなかったが、たまたま飲んだベルギーのホワイトビールが美味しくて愛飲していたと。

ベルギービールは美味しく感じていたことから、日本のクラフトビールを飲むようになり、よなよなエールが美味しいことに気づいて、ハマっていると教えてくれたんです。

それを聞いたとき、「女性はビールを好んで飲まないというのは偏見かも?」と思ったんです。この女性ファンのようにライトな口当たりのビールを美味しく感じている方は実は多く存在していて、今回聞くことができた意見はひょっとすると氷山の一角なんじゃないかと。

それからは、自分の足でいろんなバーに通って、ベルギーのホワイトビールを飲んでいる女性を見つけては、「ビール会社の者なんですが……」と名刺を差し出しながら、いろんなお店でインタビューしたんですよ(笑)。

※4 日本の大手ビールメーカーから出ている商品のほとんどがラガービールであり、低温で発酵が行われ、雑菌が繁殖しにくく製造管理がしやすい下面発酵という製法で作られている。ラガービールはすっきり爽快で、喉越しを楽しみながらゴクゴク飲まれる。

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池田:その氷山の一角に気づき、自身で足を動かして調査してしまうのは、すごい行動力ですね。怪しまれなかったですか?(笑)

井手:ちょっと怪しまれるときもありましたが、仕事ですから(笑)。でも、調査をしていくうちに、苦味のないクラフトビールならハマってもらえるという確信を持ちました。そうして誕生した「水曜日のネコ」は、実際に多くの女性から受け入れられる製品としてヒットしました。だから、いまでも人の話を聞くことはとても大切にしてますね。

スモールスタートから始めよう

池田:いまのエピソード聞いていて思ったんですが、てんちょは頭脳だけでなく心の知能指数も高いような印象があります。相手さえも気づいていない感情の機微を感じ取る力に長けているというか。そういった能力は、後天的に身につけることは可能なんでしょうか?

井手:ヤッホーでは以前からチームビルディングに注力していて、チームメンバーの資質を知り、活かしてあげるにはどうすべきかをずっと考えてきました。優れた資質がある人は、そういった能力をあとからでも身に付けられますし、できない人はどうやってもできないというのが僕の意見です。

そういった相手の感情の機微を感じ取るセンスだけに限らず、どんな人でも必ず強みがあるはずなんですが、埋もれたままの人も多いですよね。だからヤッホーでは周囲がその強みを見つけ、どんどん磨いてあげることを奨励してます。

ヤッホーではそのためにジョブローテーションを取り入れていて、楽しいと感じることや得意だと感じていることを自身や周囲が見つけられるようにしているんです。個人の強みに合わせてチーム編成や職務内容の偏りまで調整していて、人それぞれの強みを組織全体で活かす方向に導いてあげたほうがいいと思います。

池田:やっぱり、組織や企業文化の議論に行き着きますよね。マーケティングは人が行うものだから決まった答えは存在しませんが、(てんちょのセンスのような)優れた能力や万能薬ばかり求めてしまいがちです。良い大学を出ても、社会に出てしまったら、なにか一つの正解に固執してしまい、自分の考えに自信がない人間になってしまう。

そうではなくて、自律的に正解を作り、状況を打破していけるような人材に育てるにはどうすればいいんだろうっていつも迷うんですよね。

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井手:企業文化にも関連するんですが、新しいことにチャレンジする文化や空気をつくってあげることって大切だと思うんですよ。スモールスタートでのチャレンジを許容する文化。

マーケティングは社内外に関係者が多いので、どんな施策でも、始める前から周囲の人にもっと調査して効果がでるのか裏付けをとりなさいと言われやすいですよね。

でも、そういう施策に対して、始めから大きくリソースを割いて取り組むんじゃなくて、「まずは小さいところから始めてみよう」という文化がヤッホーにはあります。これは、「失敗してもなんとかなる」と楽観的に考えているわけじゃなくて、仮に失敗しても、「なぜうまくいかなかったんだろう」「ここを修正すれば次はうまくいくかも」というように、ロジックや実行部分の改善を繰り返せば、いつか成功するはずという考え方に基づいてます。

池田:ヤッホーが好調な様子を見ていると、「ヤッホーだから(特殊だから)できるんだ」で完結されてしまうことはありませんか?

井手:そうですね……でも、以前“超”がつくほどの大企業で社内研修の講師をさせていただいたとき、「スモールスタート」の大切さをお伝えしたんです。そのときの反響が印象的でした。

研修後のアンケートを見ると、「いままで周囲に言ってもダメで諦めていたけど、スモールスタートでもいいんだ」「まずは(できる範囲から)やってみればいいんだ」と気づいてくれた人が多かったみたいです。

研修では、製品やサービスを作るような大掛かりなことではなく、手弁当でできる調査や小さなイベントを開くといった自分の力でできることから始めていって、小さな成功体験と支持を集めようという話をしたんです。

そういった積み重ねが社内外の評判につながって、大きなムーブメントになる可能性がありますよね。自分がスモールスタートで始めることで、周囲が興味を示せずにいられないレベルを目指しましょうよ、と。そして、うまくいったら現場に上長をつれていく。

上長はそのムーブメントに触れると、「何が売上につながるかわからないけど、とにかくすごいから続けていこう」ってなるはずなんです。左脳じゃなくて右脳で訴えるようなことも大事なんですよ。

池田:確かにそうですね。みんな日々の業務の中で課題意識をぼんやりと抱えていて、くすぶっている。キッカケさえあれば、それが大きな炎になって、前へ進めるということかもしれないですね。

多くの人にとっては職務や役割にすぎないから、くすぶったままでもなんとか生きていけるけど、てんちょの場合は会社の代表だから経営・事業・マーケティングがすべて直結していて、それぞれ失敗は許されない。

でも、スモールスタートのようなチャレンジを許容する寛容さを持っていらっしゃる。そんなてんちょにとってのマーケティングってなんですか?

井手マーケティングは中長期的な活動だから「すぐに結果がでなくてもいいのでは」と思ってます。短期施策と中長期施策それぞれのバランスが大事。目先の売上も作りながら、効果が出るまで中長期的な施策もやっていく。

例えば、ファンイベントなどはROI(費用対効果)だけで考えれば採算が良い施策とは言えなくて、どんなに小規模なイベントでも毎回赤字です。それでもファンイベントに取り組むのは、ヤッホーのことをさらに好きになってもらったり、推奨意向が高まったりすることで売上が上がるという確信があるから。

だから、マーケティングには中長期的な我慢も必要だと思います。

スモールスタートでの成功体験があるから、100人相手で成功できれば、1,000人が相手でも成功できるだろうみたいな感触があるんです。一度スモールスタートで検証することで多少のデータや経験値も蓄積されるから、あとは愚直にやり抜くだけなんじゃないでしょうか。

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池田:ヤッホーの事業もすべてスモールスタートに基づいているんですね。そういった文化を築けていることは本当に素晴らしいと思います。トライバルでもいろいろ学ばせてもらうことがありました。

本日はお忙しいなか、ありがとうございました! これからもおいしいビール楽しみにしています!

井手:ありがとうございました! また飲みに行きましょう!

・・・

圧倒的強者が多いビール業界で成長を続けるための戦略と組織づくり、そしてマーケティングへの向き合い方」というテーマで展開された今回の議論。強者がひしめく業界で、成長を続けるための戦略や強靭な組織が作られる環境作り、スモールスタートの重要性など非常に有用な議論が行われました。この記事をキッカケに、読者のみなさまの内にある火種が少しでも大きな炎になれば嬉しいです。

「マーケ飯」は、今後もさまざまなフィールドの第一線で活躍されている方と池田のトークを発信していきますので、どうぞご期待ください!

これまで公開したマーケ飯の記事は、以下よりご覧いただけます。

▼ヤッホーブルーイング公式通販サイト
「よなよなの里」

\よなよなエールを含めたクラフトビール5種5缶が飲める/
クラフトビールはじめてセット
▼2人のアカウントはこちら
井手 直行 氏
note https://note.com/yohoyonayona
NewsPicks https://newspicks.com/user/1460858/

池田 紀行
Twitter @ikedanoriyuki
note https://note.com/ikedanoriyuki

今回収録で伺ったお店は、本文中でも言及された「よなよなビアワークス」の赤坂店! お料理はヤッホーブルーイングが提供するビールと非常にマッチし、ビール好きにはたまらないコースでした! 撮影にご協力いただき、ありがとうございました(写真はコース料理のチキンとポテトのプレート)。

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よなよなビアワークス 赤坂店
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-14-3
東急プラザ 赤坂2階
https://yonayonabeerworks.com/shop/akasaka/

※新型ウイルス感染症防止対策に配慮のうえ収録を行っています。

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トライバルメディアハウスは「ソーシャルエコノミーでワクワクした未来を創る。」をミッションに掲げるマーケティング会社です。マーケターやクリエイターが抱えるマーケティング課題を解決する場として、noteを公開しています。